モルガンズ【リクエスト】 ページ8
それは遠い昔の話。
あれはまだジャーナリストとしては半人前で、小さな海賊団で起こった事件を追いかけていた。
「なぁ！！今日こそは答えてもらうぜ！！」
『毎日毎日…本当飽きないね？』
酒場の片隅で独り、影を落とすこの女は海賊の頭だった。
だった、というのもつい先日その海賊団は壊滅したのだ。
その理由を俺はひたすら追いかけている。
何故かって？可笑しな話…船長であるはずのこの女が自分の部下である船員全員を皆殺しにした上で愛船をも燃やし、海中に沈めたというのだから。
「部下を殺した理由は？どうやってあんな人数を1人で殺ったんだ？船すらも燃やし尽くしたのは何故だ？」
矢継ぎ早に質問を浴びせると、うんざりした様子でこちらを一瞥する。
『ブルーベリータイムズの記事見たでしょ？そこに書いてある事が全てよ』
「あんな遊び半分で記事を作るような奴なんざ信用出来るか！俺はジャーナリストとして自分で真実を見極める！！」
ブルーベリータイムズの記事によれば、海軍に追われる事に辟易した女船長が事件を起こし、現在は自由気ままに生活をしているのだと。
自由気ままにだぁ？そんな事は目の前にいるこの女の顔を見たら書ける訳がねぇ！
『は〜あ〜…曇りない目をするね〜…でもさ、真実ってそんなに重要な事？』
「正直新聞なんてのは面白ければそれで良いと思ってる、全てを明らかにする必要もねぇ。だが虚構そのものなんざ糞食らえだ」
『うわ、自分勝手なジャーナリズム…』
薄らと微笑み、窪んだ瞳に映る俺の姿は好奇心の塊だった。
『ん〜、ここだと話もしにくいし…場所変えても良い？』
「勿論だ！！！」
粘った甲斐があったってもんだ！
ビッグニュースのチャンス！！
場所を変えると付いて行った先は…海の見える丘だった。
何もない、波が崖を削る音だけが聞こえる場所。
海を眺めながら地べたに座る彼女の横に立つ。
『話、長くなると思うし座りなよ。さてと…じゃあ話そっか』
溜め息を一つ吐き、波音に合わせるように緩やかに話を始める。
『私の船はさ小さかったけど、みーんな仲良くてね、本物の家族みたいだった。女が私だけっていう事もあって、大所帯の母親のような気分でさ』
そう話す横顔は聖母のような優しさを帯びていた。
『でも…ある島に降り立ったせいで私は全てを失った』
島？船の上での事件のはずじゃ…。
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箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年1月15日 19時) (
レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ々(プロフ) - 首が長くなっても待たせていただきたいと思います(´▽｀) (2022年11月8日 21時) (レス) id: 5e3da37f48 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ々(プロフ) - とんでもないです…。コメントにてお返事を頂けるのは勿論うれしいですが、何よりお忙しいかと思いますので、余裕がお有りの際に気軽に書かれた小説を読めるのが一番嬉しいです。 (2022年11月8日 21時) (レス) id: 5e3da37f48 (このIDを非表示/違反報告)
三月兎(プロフ) - ねこ々さん» ねこ々様 前回のコメントのお返事が出来ていなかったというご無礼をしていたというのにも関わらずリクエストを頂けて有難うございます(´；ω；｀)！！近いうちにアップさせて頂きますのでもう暫くお待ち下さいっ！！ (2022年11月8日 17時) (レス) id: 5bf5ba8679 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ々(プロフ) - また三月兎様の小説を読みたくなったので、何度もお恥ずかしいですがリクエストをしたいです。 モルガンズでお願いできますでしょうか？ (2022年11月5日 18時) (レス) id: 5e3da37f48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三月兎 | 作成日時：2021年1月7日 21時
