ペロスペロー【リクエスト】 ページ5
この私が慢心とは酷く滑稽な事だ。
ママの決めた相手…その人物がどんな人間であろうと結婚をするという事実が覆される事はない。
それによって自分の心が揺さぶられる事もないだろうし、それによって自分の人生が劇的に変わる事もないだろう。
そう思っていたんだ…お前と出会うまでは。
初めて顔を合わせた時から今に至っても笑顔を絶やす事なく常に私に付き従う。
望んだ結婚ではなかったはず…とは言え恐怖故に見せる偽りの表情でもない気もする。
ただただ、私には似つかわしくない程に柔らかな笑みを浮かべているだけ。
だから壊してみたくなったんだ…その笑顔を。
夜も更けた頃、名前を呼べばすぐに駆け寄ってくる。
そんな仕草も…もう見せる事はなくなるのだろうな。
『お呼びでしょうか？』
「あぁ、Aも子供ではないのだから理解出来るだろうが…夫婦となったからには営みが必要だろう？私も男である以上、それなりの欲は持ち合わせているものでね、ペロリン♪」
『え…あの…私…』
彼女の言葉を遮り、半ば無理矢理に事を進める。
口を塞げば苦しそうに漏れる息も、痛みで引き攣る目尻も…初めて見る彼女の一面は興奮を助長させる材料でしかない。
「クククク…まさか処女とはな…」
煽るように笑ってみせると、掠れた声で言葉を紡ぐ…また微笑みを携えて。
『満足して頂けましたか？』
初めてを無理矢理奪われても尚まだ微笑んでいやがる…その笑みはどうしたら壊せるんだ？
苛立ちを隠せずに彼女の顔を鷲掴み、爪を立てると頬に食い込み血が伝う。
「お前如きの身体で満足？クククク…思い上がりも甚だしいな？ペロリン」
『っ！？…すみません！！！』
一瞬ぎこちなく…？
苦笑いを浮かべたままの彼女の顔から乱暴に手を離し、横になる。
「明日も早い…もう寝るぞ」
『………はい』
僅かな違和感を覚えつつも、久しい行為の後のせいかすぐに意識は落ちていった。
目が覚めた時に毎朝感じていた温もりがない事に気付く。
彼女は眠る時だっていつも隣にいた…その彼女がいない。
いつもいる定位置のシーツに触れると冷たく、もう長い時間ここには誰もいなかったのだと証明された。
部屋のどこかにはいるであろうと思い大声で名前を呼ぶも、返事も駆け寄ってくる姿もなく…奇妙な静けさに焦りが生まれた。
結婚をしてからというもの、いつどこにいたとしても呼べば来る事の出来るくらいにいつも側にいた。
嫌な予感を感じ、急いで服を着替え外に出る。
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箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年1月15日 19時) (
レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ々(プロフ) - 首が長くなっても待たせていただきたいと思います(´▽｀) (2022年11月8日 21時) (レス) id: 5e3da37f48 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ々(プロフ) - とんでもないです…。コメントにてお返事を頂けるのは勿論うれしいですが、何よりお忙しいかと思いますので、余裕がお有りの際に気軽に書かれた小説を読めるのが一番嬉しいです。 (2022年11月8日 21時) (レス) id: 5e3da37f48 (このIDを非表示/違反報告)
三月兎(プロフ) - ねこ々さん» ねこ々様 前回のコメントのお返事が出来ていなかったというご無礼をしていたというのにも関わらずリクエストを頂けて有難うございます(´；ω；｀)！！近いうちにアップさせて頂きますのでもう暫くお待ち下さいっ！！ (2022年11月8日 17時) (レス) id: 5bf5ba8679 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ々(プロフ) - また三月兎様の小説を読みたくなったので、何度もお恥ずかしいですがリクエストをしたいです。 モルガンズでお願いできますでしょうか？ (2022年11月5日 18時) (レス) id: 5e3da37f48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三月兎 | 作成日時：2021年1月7日 21時
