ペドロ3 ページ3
『ペドロ様っ！！私…っ…私の身体で貴方様の欲を抑えて下さって構いませんから！！』
彼女が泣き叫んで口にした台詞は想像していた物ではなかった。
怯えているくせに…恐怖で震えているくせに…どうしてそんな言葉が出てくる？
彼女のこんな顔など見たくない…恐怖に引き攣った声など聞きたくない。
「駄目だ…駄目だ！！駄目だ！！俺はAを傷つけたくはない！！！」
強く願いを口にした途端に理性を取り戻し、身体が動きを止める。
彼女に跨ったまま必死に涙を堪えている顔を呆然と見下ろす。
後悔しても、もう遅いと言うのに。
『ペドロ様…有り難うございます』
何を言っているんだ？
ゆガラを襲おうとした…そんな相手に礼など…。
『私を…大切に思って下さって…有り難うございます』
ポタリと彼女の頬に一滴の涙が零れ落ちた。
腕が伸ばされ…細く、しなやかな指が涙を拭いとる。
「愛している…俺は…Aを愛している」
自然と口から出た言葉に今度は彼女が涙を零した。
『本当に…？』
「嘘などつかん」
彼女から零れ落ちる涙は俺の物とは比較にならない程に美しく澄みきっていて…危うくまた理性が飛びかけた。
『う…嬉し…です…』
くしゃくしゃな顔をして泣きじゃくるその姿は恐怖に怯えながらも啖呵を切った彼女と同じものだとは思えないくらいに可憐で…愛おしくて。
跨っていた身体をどかし、床に座って彼女を引っ張り起こすと、よろけた拍子に俺に抱き付く形でもたれ掛かってきた身体を抱き留める。
『ペドロ様…暖かい…』
「ゆガラら、人間と違って基礎体温も高いからな」
暫くの間、互いに話をする事もなく抱き締めあっていた。
ただひたすらに彼女の体温を感じていたかった。
「…すまなかった」
『いえ…強がりもあったんですけど…本心は本心でしたから』
「俺に抱かれても良いと？」
『…はい』
盛りなどと言う自分本意な行為を彼女に強いようとしていた事をつくづく情けなく思う。
Aを抱く事の出来る幸せを噛み締めたい…理性がないままではそんな事を思う余裕もなかっただろう。
額に軽く口付けをして「愛している」と呟くと顔を赤らめる。
残り少ない寿命を彼女と共に生きて行こう…この片目に映る最後の人がAである事を切に願いながら。
【アスカ様リクエスト】
ペドロ
リクエスト有り難う御座いました！
最後まで載せる事が大きく遅れてしまい本当に本当に申し訳ありません！！！
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箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年1月15日 19時) (
レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ々(プロフ) - 首が長くなっても待たせていただきたいと思います(´▽｀) (2022年11月8日 21時) (レス) id: 5e3da37f48 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ々(プロフ) - とんでもないです…。コメントにてお返事を頂けるのは勿論うれしいですが、何よりお忙しいかと思いますので、余裕がお有りの際に気軽に書かれた小説を読めるのが一番嬉しいです。 (2022年11月8日 21時) (レス) id: 5e3da37f48 (このIDを非表示/違反報告)
三月兎(プロフ) - ねこ々さん» ねこ々様 前回のコメントのお返事が出来ていなかったというご無礼をしていたというのにも関わらずリクエストを頂けて有難うございます(´；ω；｀)！！近いうちにアップさせて頂きますのでもう暫くお待ち下さいっ！！ (2022年11月8日 17時) (レス) id: 5bf5ba8679 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ々(プロフ) - また三月兎様の小説を読みたくなったので、何度もお恥ずかしいですがリクエストをしたいです。 モルガンズでお願いできますでしょうか？ (2022年11月5日 18時) (レス) id: 5e3da37f48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三月兎 | 作成日時：2021年1月7日 21時
