第69話 ページ29
こんな風に甘い時間もありまして、無事に敵連合での日々を送っています。
最近は、
「椛ちゃん。今日こそちゅうちゅうさせて下さい！」
「と、トガちゃん…、ナイフはしまって…」
「おい椛。そんなやつに構うなよ」
「うん。荼毘くんも腰に手を回さないで」
新入りさん二人が大変騒がしいです。
「ちょっと！私の椛ちゃん取らないでください！」
「はあ？お前のものじゃないだろ」
「別にトガちゃんのものでもなければ、荼毘くんのものでもないよ」
とりあえず私の取り合いを始めている二人から離れようと、出来る限り冷たくあしらうのに一向に離してくれない。
「椛ちゃんは私のものですよね！？」
「え、いや…」
「ほら、困ってんだろ。こっち来いって」
「いや、だから…」
「あー！嫌がってますよ！」
さすがにちょっとうるさいかも。
一瞬だけ顔をしかめてしまった私を見兼ねて、黒霧さんが磨いていたグラスをカウンターに置いた瞬間、トガちゃんと荼毘くんの居る方向とは別の方に体が引かれる。
「わ…っ！」
「…何してんだよ、お前は」
「弔…」
私を引っ張った張本人、死柄木弔は不機嫌そうな焦ったようなスペサタイトを光らせた。
「あ、ありがとう…」
助けてくれた弔にお礼を言うと、二人が頬を膨らませる。
「弔くんだけズルいです」
「そうだな」
「ズルくないし、『そうだな』でもない」
随分とドスの効いた低い声ですこと。
殺気ダダ漏れの弔に視線でそう訴えると、ふわりと体が浮いた。
「え…っ、と、弔？」
どうやらお姫様抱っこされたみたい。
毎回思うんだけどさ。
弔って見た目の割に筋肉あるよね。
驚いた様子のトガちゃんと荼毘くんと黒霧さんを横目にそんなことを思っていると、弔が私の耳に唇を寄せた。
「アイツにどこ触られてた？」
「ふふっ、荼毘くんに嫉妬？」
「…悪いか」
「悪くないでーす」
からかうように笑うと、ふっと弔が微笑んだ。
「消毒…」
「キスで免除は？」
「…考える」
『それ絶対考えないやつじゃん』と声を上げて笑った。
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暁稀 - これこそ純愛。YES純愛。黒霧さんイケメン過ぎて禿げました、どうしてくれるんですかありがとうございます！ (2021年8月13日 3時) (
レス) id: 5c3eb28485 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 最高すぎます！！ (2019年12月29日 2時) (レス) id: a8dea294c9 (このIDを非表示/違反報告)
budou(プロフ) - やばすぎた。読んでるだけやのに幸せ... (2019年10月13日 7時) (レス) id: bca9c6f33f (このIDを非表示/違反報告)
チイナ(プロフ) - もう号泣でした。涙がぽろぽろ溢れ出てきて、あーいい作品に出会ったなぁ、と感じました。私の大好きな作品に追加です！このような作品をお作りいただきありがとうごさいます！また読み返しに来ます。 (2019年7月15日 8時) (レス) id: f759a37db1 (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - はじめまして。何度も何度も読み返してその度に感動させられて、こんな小説久々に読みました！！また読みに来ます！この作品に巡り合えて幸せです。本当にありがとうございます！ (2019年2月9日 21時) (レス) id: f1af7a443b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うすしおタルト | 作成日時：2018年8月26日 19時
