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『…の、、乗り切ったぁー…』
「これでまぁ、一安心だな。たいしょ!」
審神者と拳をコツンと突き合わせたのは薬研藤四郎。
2時間程で第一部隊の手入れをある程度済ませた2人はかなり身体的疲労が溜まっているように見える。
特に彼女は霊力も普段より消費しているのでかなり辛そうだ。額に浮かぶ汗がそれを語っていた。
『ん?通信。反町さんからっ!』
「良かったわね!固定調査時代の方に助っ人を入れてくれるらしいから試験の方に集中しろって」
酷く嬉しそうな彼の声色に画面の前で彼女は首を傾げた。
審神者としての業務も行いながらくろのすけから送られてくる任務を並行して遂行しろという司令じゃなかったか?
『それって別の審神者がこの時代に派遣されたってことですか?』
「そういうことね。今も霊力値がいつもより大分低いしあまり無理しすぎないこと!」
それだけ言うとブチッと一方的に通信を切った反町。
なんとも言えない空気の部屋には審神者と薬研、厚が難しい顔をしていた。
『役に立たないとでも思われてるのかな……』
「まぁ、今かなりキツイし良い風が吹いてると思っとこうぜ」
厚の言葉に静かに頷く審神者。その顔は不満げだが、抗議するわけにもいかないし試験に集中できるようになるのは確かなのでなんとも言えない。
『こんのすけ、その新しく配属になる審神者分かるだけでいいから調べてみて』
「?…畏まりました」
用心は重ねておくべきだという狙いだろうか、彼女はどうも手柄を横取りしようとする輩が気に入らないらしい。
「さ、大将も休まないとな」
『うん、お風呂入ってくるよ』
あくびをしながら手入れ部屋を出ていく審神者。
彼女の背中を見送るのは今日懐刀だった厚藤四郎と薬研藤四郎。
「なんでこんな大将て都合が良いんだろうな」
「おい厚その言い方はないだろっ。この階級に上がるまでの昇級試験もこれくらいきつかった。俺達の練度に合わせた任務がきてるからだ」
若干笑いながら薬研は訂正する。この戦いに間違いはない。これを乗り切れば大将はまた上へと上がれる。
彼等を動かす原動力は審神者の心と繋がっているのだ。
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shino - こんな感じの作品待ってました!続きがすごく気になります更新頑張ってください! (2021年12月31日 18時) (レス) @page12 id: 71258e6710 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さんふね | 作成日時:2021年7月29日 8時