26 ページ26
「ねぇあるじさま、ゆきがっせんしましょー!」
え?、急に!?!?
今季節的には秋ですけど…
そう駄々をこねながら私の服の袖を引っ張るのは今剣。なんでまだ暖かいのに寒い思いをしないといけないのか。
そう思って今剣を説得しようとした。
そう───だって、寒いの嫌じゃん。、
「主」「主君」「あるじさま」「大将」
くそぉっ!!これが今流行りの"アザトカワイイ"なのか!?
歌って踊れるのか!?篭手切江呼んで!
うるうると瞳を煌めかせて"ちょうだい"とおやつをねだる犬猫のような顔で見上げてきやがる。
もうこれは無理でした。
こんのすけに言いつけて次に目を開くときにはパラパラと小さな雪の粒が舞い散る本丸になっていた。
わーいわーい!と喜ぶ短刀達をニマニマと見ていると縁側の方から鋭い視線が飛んでくる。
茶会を開いていたおじじ達である。
彼等は寒さに弱い。それはもうめっぽう弱い。
『お爺ちゃん達…高専なら暖かいよ。行かない?』
「う"ぅ…そうさせてもらおう」
あなや…。と悲しげに呟く三日月と無言で震え続ける鶯丸と小狐丸。なんか、ごめん。
半纏を持ってきて着ているあたり老いに冷えは堪えるんだな。
「そう言えば、主は雪嫌いじゃなかったか?」
『うーん…。雪は嫌な記憶しかないからなぁ』
・
冷たく身体に打ち付ける雫が、きれいな結晶に変わっている───────
"あぁ…このまま凍えてしまえれば腐る事もないのかな"
くすんだ霧が辺りに立ち込め私を隠している。周りは廃墟に囲まれていて銃を持った大人や爆撃機が空を飛んでいく。
何故こんなことになったんだろうか。
寒さをなんとか凌ごうと私は自分を抱くように腕の中に膝を抱えた。そんなものでは暖まらないし、もっと暖かい温もりに包まれていた記憶があるのに…それも思い出せなかった。
「ねぇちゃん、、…っ、、」
『ジンロク!』
いつも一緒になって掻っ払いに行っていた仲間のジンロクが寝込んでいる。苦しそうな咳を続け熱も下がらない。
分かっていた…。
私もいつかこうなる。ジンロクも救えず、寒さと飢えに苦しんで…あぁ、寒い。
近くで大砲の音が聞こえる。でもこれは風のいたずら。本当はずっと遠くのこと。
「おいっ!」「主!?」
『あ、ごめん。ボーッとしてた』
やっぱり、寒いのは…雪は嫌いだな。
433人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さんふね(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラウィッチさんコメント有難うございます!今の所オチは決めてません。。オチを作る予定が無かったもので…五条さんコールが強ければそのようなお話になるかと思います(´▽`)これからもどうぞ宜しくお願いします (2021年7月13日 20時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年7月12日 0時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
さんふね(プロフ) - 皐月さん» 皐月さんコメント有難う御座います!更新速度が落ちているこの作品ですがそのように言って頂けて有り難いです。これからもどうぞ宜しくお願いします (2021年4月23日 16時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
皐月 - 私の中で「どなたか書いてくださらないかなぁ」と、ムラムラ(笑)してた呪術廻戦と刀剣乱舞のクロスオーバー。神作品を書いてくださり、本当にありがとうございます!御無理はなさらず、更新頑張って頂けたらこれ幸いです^ - ^ (2021年4月14日 22時) (レス) id: d0dd666c8e (このIDを非表示/違反報告)
さんふね(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» コメント有難う御座います!とっても嬉しいです!!有難う御座います!(大声)今後とも宜しくです (2021年1月27日 23時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さんふね | 作成日時:2021年1月24日 21時