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«審神者…貴方にはわたくしがどう見えますか?»
«穢らわしく惨めで、堕ちた神に見えるかっ!?»
悲痛な叫びだった。私の背中から落ちた布が地面に広がる。
剣を抜きこちらに向ける様はどこか痛々しく私の目に映る。
『貴方が今までどんな扱いを受けてきたか、どんな想いで出てきたのか私にはわからない』
『でも私達の本丸の仲間になったなら、ましな生活を送って欲しい』
『貴方が
静かにこちらを睨み続ける白山君の瞳が怖かったけれど、私は今日に至るまで考えていた言葉を吐き出した。
彼に響くか分からない。こんな綺麗事斬られてしまうかもしれない。
でも…関わった刀剣には笑っていてほしい
«綺麗事だな…この手は何振りもの仲間を折り、政府の者も斬り捨てた»
«もうまともな神ではいられない…わたくしを折りなさい審神者»
その場に膝を付き、自身を地面に置いた白山君はこちらに向かって首をもたげた。
生きることを諦めたかのような彼の姿勢に少しだけ苛立ちを覚える。彼の行いは確かに惨いが、致し方ない理由があったに違いない。
かつての仲間の分もその想いを背負って生きることが彼に与えられた新たな試練じゃないのか?
そう思わずには居られなかった。
「どういう状況?」
虎杖が五条を連れてきたその時、審神者はゆっくりと白山に近寄り同じ目線になるよう屈むと一切の迷いなく頬を引っぱたいた。
「主!手がっ!」
衝撃と、力が無くなったからか剣に戻ってしまった白山吉光。
その場に屈んだままの審神者の掌は背中と同じように痣の様な模様が浮かび上がっていた。
『大丈夫…この子に比べれば…』
「だから気を付けろって学長も言ってただろ…」
「ほら、硝子のとこ行くよ」
審神者の腕を持って立ち上がらせようとした五条だったが、石のように彼女は動こうとしない。
"ねぇ"と強めに声を掛けてもこちらを振り向きもしなかった。
『浦島…本丸戻るよ。白山君怪我してる』
「はぁ?ちょっと!」
「Aさん!?大丈夫?」
周りの声は耳に入っていないようだった。その場に十字を切ると抜き身の白山を抱えて浦島と共に光に包まれた。
「先生、まずくない?」
「うん…"死ぬかもね"」
その真っ直ぐな物言いに虎杖はギョッとして五条を見たが、彼はどこか遠くを見ていた。
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さんふね(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラウィッチさんコメント有難うございます!今の所オチは決めてません。。オチを作る予定が無かったもので…五条さんコールが強ければそのようなお話になるかと思います(´▽`)これからもどうぞ宜しくお願いします (2021年7月13日 20時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年7月12日 0時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
さんふね(プロフ) - 皐月さん» 皐月さんコメント有難う御座います!更新速度が落ちているこの作品ですがそのように言って頂けて有り難いです。これからもどうぞ宜しくお願いします (2021年4月23日 16時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
皐月 - 私の中で「どなたか書いてくださらないかなぁ」と、ムラムラ(笑)してた呪術廻戦と刀剣乱舞のクロスオーバー。神作品を書いてくださり、本当にありがとうございます!御無理はなさらず、更新頑張って頂けたらこれ幸いです^ - ^ (2021年4月14日 22時) (レス) id: d0dd666c8e (このIDを非表示/違反報告)
さんふね(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» コメント有難う御座います!とっても嬉しいです!!有難う御座います!(大声)今後とも宜しくです (2021年1月27日 23時) (レス) id: d691bf6e97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さんふね | 作成日時:2021年1月24日 21時