30−キス※ ページ32
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部活中の生徒の声がグラウンドから遠く聞こえる。
それを背景に、実弥が色っぽく笑って手を広げる。
「こっち来い」
「……っ」
「オラ早よ来いやァ。甘やかしてやるから」
「_…っ学校、だよ。せんせ?」
「ふ…唆んなァその呼び方」
あーだめだ。何を言っても逆効果な気がする。
あくまでも彼は動かない。
私が自ら行かない限り手は出さないに違いない。
…そっちの方が意地悪だ。
観念して一歩ずつ歩み寄っていく。
彼の範疇まで来た瞬間、ぐん、と手を引かれて一瞬で逞しい腕に抱かれていた。
「ふ、んぅ…っ」
「A…声抑えろォ」
「っ……」
ぢゅうう、と下唇を吸われたかと思えば、舌が入り込んでねっとりと歯列の裏の上顎をなぞられて声が出る。
離れた唇に親指を押し付けられて、その太い指が口内を散々荒らし回った後私の舌をざらりと撫でる。
「舌、出してみろA…」
「ゔっ…! ……?」
舌を掴まれ引っ張られて、苦しい声が喉奥から出た。
気にもせず「そのまま出してろよォ?」と実弥は変態チックに舌を出した私を眺める。
そしてあろう事か実弥の舌が私のそれにちょん、と触れて、次にはそれが濃厚に絡まる。
終いにははむ、と実弥によって私の舌が食べられて嬌声とも取れる声が出てしまう。
「ん"っ…!?ん"っゔッ! はなひ…へ…っ」
「んー?ふ、」
離して、そう言いたいのに粘着質に舌ばかり責めてくるから上手く話せない。それに口を開けてるせいで口端から唾液が落ちる。
顎まで唾液が到達した時、漸く実弥が唇を離してくれた。
もう既に頭に熱が回ってる。
「舌ばっか…やだぁ」
「可愛い事言うなァお前は…」
「ハァ、…っん…」
まだ酸素の行き届いてないまま、また深いキスをされる。
ちゅく、とやらしい音が間から聞こえて益々自分の体が熱で震える。
「…!?んッ…」
「…ッいて!」
いつのまにか服の中に侵入していた手がブラのホックを外した事に驚いて思い切り実弥の舌に歯を立ててしまった。
少し涙目になってじとりと見られる。「ご、ごめんね…」私も羞恥心に涙目になると、あ、と舌を出した実弥が「舐めろォ」と顔を近づける。
「…っン」
ちろ、と舌についた歯型をなぞるとまた覆いかぶさるようにキスをされる。
ごぶさたな実弥は、キスが長い。
「ん…ん"っ!?んーっん"ん"っ!!」
実弥の指が、私の胸の先端を強く摘んだ。
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yukino(プロフ) - 実弥と幸せになれていて嬉しいです! 作品,とっても面白かったです!私,最近アカウント作ったばっかりなのであれですが,「OLは夢を見ない」めっちゃ愛読してました! 本当にどの作品もとても面白いです!!!! (2022年1月17日 19時) (レス) @page47 id: b465ac1425 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - 嗚呼、前世でも、今世でも実弥のお嫁さんになれるなんて幸せです!伊之助との三角関係が面白かったですが、リクエストで鬼の猗窩座とか無理ですかね?千寿郎とかも、出来たらお願いしたいです (2021年3月15日 17時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
ぬれおかき(プロフ) - おそらまめさん、私の学校にもどうか不死川先生を召喚してください(^^)/かっこよすぎて酸欠(^_-)-☆ (2021年2月7日 13時) (レス) id: dde5b1dc7f (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - 美桜さん» 美桜様、この作品にも足跡を残して頂きありがとうございます!作者の作品を沢山お気に入りして下さってたんですね、嬉しいです…!どれも拙いなりに一生懸命時間をかけて執筆しているので、そのお言葉が何より身に染みます…!ありがとうございます(^^) (2020年11月27日 9時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - こちらも、おそらまめ様の作品だったんですね!いや、かなりお気に入りしていて今更気づきました(笑)愛ある作品の数々、語彙力あって背景が浮かんで、もう虜です!←いきなり出てきて熱弁をお許し下さいm(_ _)m (2020年11月26日 13時) (レス) id: a2ac9ececf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おそらまめ | 作成日時:2020年2月12日 13時