不死川先生は余裕がない【鬼滅の刃】

03ー風 ページ3

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「よお不死川。おはよ」

「…はよ。お前珍しいじゃねェかスーツなんてよ」

「まーな。入学式はスーツじゃねぇとまた冨岡に言われる」

「そういう冨岡はジャージだったけどな」

「は？ よしわかった彼奴抹殺」





眠い目をそのままに大きく欠伸すると、珍しくスーツを着た宇髄が俺の隣に立った。
入学式。俺にとっちゃ何の意味もねェが今年は違ェ。


今年は玄弥が高校に入学してくる。

制服を着た玄弥が今日の朝も可愛かった。
愛ですぎて危うく遅刻しかけた。





「そういや今年はお前ン所の弟新入生か」

「あァ。襲うなよォ」

「そういう趣味はねェよ」





冨岡が体育館から入ってきたのを合図に、お館様の挨拶が始まった。

俺がお館様の存在を思い出したのはほぼ最近だ。
忌々しい過去を思い出したくも無かったが…今世は平和に兄弟とおふくろと過ごせている事に感謝できた。
それだけありゃもう何もいらねェ。


……いや、心の奥で彼奴を探してる。

前世は俺の唯一だった女。





「…お、あれお前の弟じゃねーか？」

「ア？」





右から三番目にいる新入生のリボンを胸につけて俺の可愛い弟が立ってる。
あいつ俺に似て目つき悪ィからなァ。友達作れっかな。



　＿なんとなく近くの列を見た。
二つ隣に、うるせェ新入生が女子生徒に絡んでる。





「……！？ っぐぅ、」

「は？ オイ不死川突然どうした？」





何でAがそこに立ってる。
ていうか何でお前生徒なんだよ、新入生なんだよ。
俺がどれだけ探したか分かってんのかァ。

ていうかスカート短ェ。ボタン閉めてねェ。





「…お、おれAか？ 変わってねェな！」

「死ぬ程可愛い(彼奴何で歳下なんだよォ)」

「おーい本音と建前逆になってんぞー」





ていうかありゃ俺が担任じゃねェかふざけんなよ。
みっちりばっちり扱いてやる色々となァ。

あの下着の見えそうなスカートを取り敢えず何とかするか。その前に先に色を確認してからだ。





「おいお前ガン見してっと気づかれんぞ」

「してねェよ」





不意にAが振り返って俺を見た。
隣で「ほらな」と宇髄の牽制がする。

……何も覚えてなさそうな顔。俺だけかよ。

目を逸らした後もう一度見たが、彼奴は猪頭に引きずられていた。


オイ待て待てその格好はスカート短ェ彼奴にとっちゃ…。





「……黒か。唆るぜ」

「宇髄テメェ頭ン中ぶった斬ってやるよォ」





糞が。
彼奴の下着を見て良いのは俺だけなんだよ。





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