49 ページ21
.
あれは、私がまだ高校一年生だった時。
『ねえせんせー』
「なんだ西。今日の勉強計画はしっかりあるんだろうな？」
『いやー、先生が話聞いてくれないとやる気出ない』
すっかり伊黒先生に懐いた私は、予備校に行くなりそう声をかけた。
「はあ…」とため息をつきつつも仕方ないなと言って目の前のテーブルに誘導してくれる先生は本当は優しい人なんだと思う。
「…で、何の話だ」
『先輩がさー』
思わせぶりすぎてしんどいんだよねえ。
なんてまたありきたりな事を口にする。私が先生にこの相談をするのは何度目なのかすらもう分からない。
一通り事の顛末を話して『どう思う？』と問いかければ、先生の口からはまたため息が溢れる。
『ごめんって。こんなつまらない話で』
「本当に毎回毎回不死川のことばかりだな、お前は」
『だって私、先輩が好きなんだもん』
ならいっそのこと告白でもすればどうだ、
とジト目で見てきた先生からさっと目をそらす。
…告白なんて、出来るものならやってるよ。
いま言ったところで振られるって分かるから悩んでるのよ、こっちは。
まったく。
伊黒先生は女心が全然分かってないんだから。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 368人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奏海(プロフ) - 環さん» たまちゃんありがとうーっ！キュンキュンして貰えて良かった！ぜひ最終章もお付き合いよろしくね♡ (2021年10月21日 13時) (
レス) id: d291d10447 (このIDを非表示/違反報告)
奏海(プロフ) - ひよさん» ひよさん！コメントありがとうございます♡ずっと放置していたなと思って頑張りました！笑 ぜひ最終章で3人と結ばれてください🥺投票もしてくれてて嬉しい！ありがとう♡ (2021年10月21日 13時) (レス) id: d291d10447 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - かなみちゃん2章おつかれさまとおめでとう！！ずっと待ってました更新ありがとーーーっ！！！めちゃくちゃきゅんきゅんだったよ…！！最終章で3人と結ばれてきます。おつかれさまありがとう！！最終章読んできます🥺 (2021年10月20日 18時) (レス) @page33 id: 940f9d3174 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 奏海ちゃん第2章お疲れ様でした…!! ここ数日の怒涛更新にハァハァしていた次第です。しかも3人それぞれとの最終章ですと…? 選べない読者へのご褒美ですかありがとうございます!! 待ってる!! （投票済って出るのマジ腹立たしい） (2021年10月20日 7時) (レス) id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
奏海(プロフ) - 環さん» たまちゃんただいまーっ！待っててくれてありがとうッ！！！私もたまちゃんラヴだよ…っ！！！！！ (2021年6月1日 22時) (レス) id: d291d10447 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：奏海
| 作成日時：2021年4月23日 12時
