第十四.五話 惡い夢 ページ31
主ちゃんの悪夢(大きな悲哀の夜の話)
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久しぶりに夢を見た、妹が亡くなってからずっと見ていた夢。
” お姉ちゃん何で守ってくれなかったの。 ”
エコーが掛かった妹の声が響く。守るべきものを守れなかった、愛おしいものを守れなかった私はもう生きる資格が無いと言うように。黒い霧から妹である○の姿が見えた、それは冷徹な目だった。
” お前は彼奴等が作った最高の玩具だよ。 ”
次に聞こえた声は実の親戚に当たる伯父の声だった。私はこの男に初めてを奪われた、嫌だと泣いて抵抗する私を殴りそして犯した。その目は人を性処理道具としか見ていない目だった。最低で最悪で、そして吐き気がするような目。あれを思い出す度に身体は軋み、口は固く閉ざされる。
アオイにも言えなかった、私の過去はひどく汚い。テンペストの皆が汚物を見るような目で、見下し私を無視する未来が頭に広がる。幸せな日々が続いていた私に、まるで” 過去を忘れるな、お前は汚らわしい存在だ。 ”と感じさせるようだった。
伯父が私に手を伸ばし、身体に触れるところで私は目が覚めた。
汗で布団は濡れ、短い髪は濡れて滲んでいた。目にはおそらく夢で泣いたであろう涙の線。私の息は乱れ、身体は震えていた。片方の手で、反対側の手首を握り震えを無くそうとする。なるべく力強く、そして痛みを。その手をゆっくりと覆う影が現れた。そしてそっと大きい手が私の握っている手首を包む。
その手の正体はベニマルだった。目を伏せながら緩やかに、
私の手を解いていく彼は小さく呟き始める。
「何で一人で抱え込むんだ。リムル様だっているし、俺もいるだろう。過去でAがどんなに苦しんでいたかなんて俺には完璧に想像することなんて出来ない。それでも理解りたいんだ。お前を。なあA、何も言わなくていい。只今は俺に抱きしめられてろよ。」
そう言い、優しく抱きしめる彼は温かかった。彼の右手は私の頭を撫でる。
私の空いた両手は彼の大きく引き締まった背中に回す。
抱きしめられていて、彼の顔の様子はわからなかった。ただ、感じたことは。
月の光で照らされた私達の影はゆらゆらと靡き、そして消えそうな色だったこと。
ベニマルは私が泣き止むまで抱きしめた。彼は美しい笑顔でおやすみ。と言って出て行ったのだった。私の胸が痛んだ、でも私は痛い位が丁度いいのかもしれない。
第十五話 魔王ミリム・ナーヴァとの出会い→←第十四話 ドワーフ王ドワルゴの登場 2
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朱里(プロフ) - 続けてすみません。第十三話のエレンの名前が〇〇〇になってます。意図的だったらすみません (2021年12月11日 19時) (
レス) @page27 id: 1848b8e1d2 (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 楽しく読ませていただきました！第四話から出でくる〇〇〇ジンとはどのキャラですか？ (2021年12月11日 19時) (レス) @page7 id: 1848b8e1d2 (このIDを非表示/違反報告)
山北(プロフ) - ユトさん» ユト様→ご指摘ありがとうございます。訂正致しましたのでご覧になってまた違和感がありましたらご指摘お願い致します！ (2019年4月14日 19時) (レス) id: 79f5829be5 (このIDを非表示/違反報告)
ユト(プロフ) - とても面白いです！あと、ミリムの名前は、ミリム・ナーヴァですので訂正お願いします。 (2019年4月13日 6時) (レス) id: 7c4b452e79 (このIDを非表示/違反報告)
山北(プロフ) - 暇人114514号さん» 暇人114514号様→いつも読んで頂き有難う御座います。名前が同じとは光栄です笑 また、更新していくのでもしよろしければ又宜しく願い致します笑 (2019年4月4日 17時) (レス) id: 760c82b915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山北 | 作成日時：2019年3月20日 0時
