検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:93,831 hit

第八話 豚頭帝 2 ページ17

しかし彼は無惨に豚頭帝の餌となったのだ。
必死にゲルミュッドを食べる姿に私の胸は締め付けられた。
嗚呼、このお方に話をしないと。

私は、ゲルドの方に近づき優しい口調を意識して話しかける。

「オークロードのゲルド。私はA=カミライです。
貴男は全ての者の飢えを満たす為に犠牲になられたのですね。
でも、もうそんなことをしなくてもいいのよ。彼らの罪も…
そして貴男の罪も私が受け持ちます。だからもうそんな泣きそうな顔はしないで。」

オークロードの顔の変化など、彼女以外わかる者などいなかった。
いや、気が付かなかっただけかもしれない。彼が独り悲しみ、泣いていることなど。
彼の飢えは食事だけではなく、深い闇の孤独という飢えがあることを。

ゲルドは少しばかり目を開き、私の姿を確認しながら跪いた。
その姿にリムル達もゲルドの仲間達も驚いた。

「おぉ、ゴルヴェル様。貴女様をお目に掛かれて光栄です。
ですが私はもう戻れぬ、戻れぬのです。この者たちの飢えを満たすことは
私にしか出来ぬのです。だから、貴女様も食わなければならない。
許してくれ、貴女様は何も悪くないんだ。」


そう言い切るとゲルドは立ち上がる。か細い涙の線が流れていた。
それがゲルドとの最初で最後の交わした言葉であった。




“ 嗚呼、貴男は酷く優しい。手段を少しだけ誤っただけなのね。 ”と。



「ゲルドさん、貴男はとても優しく生きていて欲しかった。
そしてどれだけ貴男の豚頭族への愛を話してよ。貴男が居ないと。
ねえ、運命って残酷で冷たいね。ゲルドさんは温かいのに。」




私は涙を人知れず流しながら、彼の最期を見守った。




リムルとゲルドの戦いは、リムルがゲルトを捕食しそこでオークの進行は終わったのだ。
これが、豚頭帝の討伐の全貌である。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

主人公への愛が止まらない山北です。
実は会社で休憩中ずっと下書きをしていたので更新が
少しだけ捗ります。よっしゃ。

第九話 大同盟結成の時→←第八話 豚頭帝



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (76 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
220人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

朱里(プロフ) - 続けてすみません。第十三話のエレンの名前が〇〇〇になってます。意図的だったらすみません (2021年12月11日 19時) (レス) @page27 id: 1848b8e1d2 (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 楽しく読ませていただきました!第四話から出でくる〇〇〇ジンとはどのキャラですか? (2021年12月11日 19時) (レス) @page7 id: 1848b8e1d2 (このIDを非表示/違反報告)
山北(プロフ) - ユトさん» ユト様→ご指摘ありがとうございます。訂正致しましたのでご覧になってまた違和感がありましたらご指摘お願い致します! (2019年4月14日 19時) (レス) id: 79f5829be5 (このIDを非表示/違反報告)
ユト(プロフ) - とても面白いです!あと、ミリムの名前は、ミリム・ナーヴァですので訂正お願いします。 (2019年4月13日 6時) (レス) id: 7c4b452e79 (このIDを非表示/違反報告)
山北(プロフ) - 暇人114514号さん» 暇人114514号様→いつも読んで頂き有難う御座います。名前が同じとは光栄です笑 また、更新していくのでもしよろしければ又宜しく願い致します笑 (2019年4月4日 17時) (レス) id: 760c82b915 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:山北 | 作成日時:2019年3月20日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。