これだけは・・・ ページ10
「ただいまー」
雅紀「お帰りー！！ 遅かったね！！疲れたでしょ？」
「・・・・・すごい」
雅紀「へへ ちょっと頑張っちゃった」
”誕生日だろ？もう上がれ”って、チーマネが言ってくれたんだ。
店はすげー混んでてさ、とてもじゃないけど、帰れるような状況じゃなかったのにって。
雅紀くんは早番で仕事をあがれたからって、部屋を飾り付けしててくれて
まるで、子供の誕生日パーティーみたいだった。
「こんなに・・・大変だったでしょ？」
雅紀「うん、でもめっちゃ楽しかった！！」
ほら、ご飯食べよう！！
テーブルの上には、小さいけどデコレーションケーキが置いてあって
その横にはチキン・・・ん？ちょっと待って！！
私は買って来たチキンの入った袋を掲げると・・・
「雅紀くん、これ・・・！」
雅紀「ん？あれ、この袋！！」
「はは、被っちゃった？」
雅紀「まじかー！！！！ ね、俺達って、仲いいね？」
「んふふ うん、ホントだね？」
・・・ホント。
こんなに部屋一杯に飾り付けして、チキンを買って来てくれて
ケーキにはメッセージも
「祝1周年 これからもずっと一緒だよ？」
雅紀「・・・去年のケーキと同じとこで買ったんだけど。
ここさ、俺んとこの地下のお店なんだ。」
去年さ、ギリギリにわがまま言って取り置き頼んじゃったんだよね？
その時のお店のおばちゃんにね？
色々聞かれたんだよね。
それで、今日これから入籍するんだって事
俺の誕生日でもあるって事
雅紀「だから、あんな恥ずかしいメッセージプレートになったって訳、なんだ」
「知らなかった・・・そうだったんだ・・・」
雅紀「今年もね？うちでケーキ買うんでしょ？プレートはどうする？って。
おばちゃんとどうしようかって、相談してさ、決めたんだ」
自分達だけじゃないんだ
会った事も無い、ケーキ屋さんのおばちゃんにまで祝福されてるんだ
「今度、私も買いに行くよ、そのケーキ屋さんに」
雅紀「うん！！喜ぶよ」
乾杯する代わりに口づけをする。
愛してるの言葉の代りに抱きしめる。
でもこれだけはきちんと言葉で伝えよう
「雅紀くん ありがとう」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さな | 作成日時：2014年7月28日 17時
