気持ち ページ8
「戻りましたー！！」
ユリ「お帰りなさいませ！！ 店長、これ・・・」
ユリが差し出したのは、電卓で。
そこに映し出されてる数字は、今日の結果。
電卓から顔を上げると、ユリが泣きそうな顔をしてる。
私は黙って、ユリの体を引き寄せると「ありがとう、よく頑張ったよ！！ ありがとう」って何度も何度も気持ちを伝えた。
全部の集計が終わって何度も計算し直して改めて数字を確認すると、全スタッフを呼んだ。
「みんな！！！やりました！！！！！」
わーーーほんとですか！！
なんパーですか！！
そんな声を一旦さえぎると、結果を伝えた。
月予算１２７パーセント、前比１０５パーセントを達成することが出来た。
・・・やっと、果たせた。
私がこの店でやらなければならなかった、ミッションがやっと・・・果たせた。
辛かった。
本当に苦しかった。
もう、絶対無理だって・・・何度も、何度も逃げ出したくなった。
でも、諦めなく良かった。
1人じゃ出来なかった。
みんなで・・・ユリとだから・・・達成出来た。
正直言えば、ユリは気持ちは複雑だと思う。
結果が出たことは嬉しいけど、それ以上に自分がなし得れなかったこと。
そんな事はないのに。
ユリがいてくれたから、出来たことなのに・・・。
どうしたら、伝わるかな？
どうしたら、ユリの心ほぐせるかな？
まだまだ、問題は山積みだけど、今は目の前の結果に喜ぼう。
そして伝えよう。
「みんな、本当にありがとう！！みんなで頑張った結果だよ！！
誰か1人でも、諦めてたらこの結果は生まれなかったと思います。
やれば出来るんだって・・・改めて、実感してます。
本当に、ありがとう。」
私は皆に頭を下げた。
言葉だけじゃなく、気持ちを伝えたかったから。
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作者名：さな | 作成日時：2014年7月28日 17時
