～SMILE AGAIN ～明日の記憶『Masaki Aiba』5 (ページ7)

今日:11 hit、昨日:2 hit、合計:7,936 hit

タイミングページ7

・

・

・

店舗のレジで時間を確認すると、閉店まであと1時間を切っていた。

平日とはいえ、クリスマスイブだ。

最後の最後までもがいてもがきまくって、最後の悪あがきをするんだ。

1人1人、スタッフにそっと伝えていくと、フリーのお客様に声をかける。

最高の笑顔で、距離感を計りつつ・・・

何を考えてるのか

何を見てるのか

観察をする。

・・・今だ！！

うん、いい感じ！！焦るな、焦っちゃダメ！！

話を聞いて

誰かに聞いて欲しいんだから、今は我慢の時。

・・・よし、そろそろ勝負に出る・・・

「ありがとうございます！！ではこちらで・・・」

っよし！！！

心の中で小さくガッツポーズすると、最後のお見送りを済ます。

店内には、閉店を知らせる音楽が流れ始めた。

・・・ふぅー。

長かったなー、ホント・・・。

先ほどのお客様の片づけをしてると、パタパタと急ぎ足でこちらに向かって来る人が・・・

あ！！！昼間の！！

『こんばんは！！よかった間に合って』

「こんばんは！！ありがとうございます、もう今日は間に合わないと思ってました！！」

『でもこんな閉店間際にごめんなさい』

「そんな、とんでもないです！！嬉しいです。で、こちらの方・・・？」

さっきから所在なさげにしてる、男の方。

目が合うと、照れくさそうに会釈してくださって

お客様が、彼の腕を掴むと前に横に並んで「昨日のニット勧めてくれた店員さんなの」と私を紹介してくれた。

『お話は、伺ってます。いつもと全然違って、びっくりしちゃって・・・。
彼女がこんなにも雰囲気変わるんだって知ったら嬉しいやら心配やらで・・・』

「もしかして、余計なお世話になっちゃいましたか・・・？」

『とんでもない！！ちゃんと言わなくて伝わってるって勝手に考えてた僕に、勇気をくれたんですから。感謝してます。ありがとうございます』

「・・・よかった～！！お2人、すっごいお似合いですね？
いいなー羨ましい！！よかったらまた、お2人でいらしてくださいね？」

『はい！！また絶対来ます！！あ、ごめんなさい、もう時間・・・！』

「ああ、大丈夫ですよ！じゃあちょっとご案内しますね」

お客様を下りのエレベーターまでご案内しながら、お話をして更に気持ちは強まった。

昼間感じた新たな気持ちが・・・

確信へと代っていく。

・