この店での・・・ ページ5
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売り場に戻るとスタッフの子がニコニコしながらやってきた。
『店長、見てくださいこれ！！』
彼女が開いたのは、その日の売り上げ台帳だった。
『これ、凄くないですかぁー！！！』
「おおお、やったじゃーーーーん！！なにこのまとめ買いのお客様！！フリーの方？」
『そうなんです、なんか観光で大阪来てたらしいんですけど。もう、めっちゃラッキーでした！！』
「・・・ユリも、いい感じだね？」
『ユリさんも、すっごいですよねー？』
「私も負けてられないなー・・・。あー、本気で頑張らなきゃ・・・」
『ですよ！！今日は私、店長に勝っちゃいますよー！！』
「・・・・・。負けません！！」
ほんとだよ。
負けてなんかいられない。
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ずっと頑張ってきた結果が１つだけクリアされた。
それは今月の予算達成ってことで。
でもその日は私は公休日で、ユリからの報告で知った。
それでも、まだ前年比はクリア出来ずにいた。
ここまで来たらそれはもう、絶対にクリアするしかない。
やっと、私がこの店に来た目的が果たせるんだ。
だっていうのにさ・・・。
なんなんなのよ、この数字・・・！！
新人の子よりも全然ダメ！！
朝から、雅紀くんへの想いがモヤモヤして仕事に集中出来てない。
・・・情けないなー・・・
全然、成長出来てないな。
こんないい加減な気持ちで、前比クリアもあったもんじゃない・・・！！
下の子への示しも付けなきゃいけないんだ。
明子にも散々、気持ち聞いてもらったんだもん、しっかりしよう！
「いらっしゃいませ！！」
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作者名：さな | 作成日時：2014年7月28日 17時
