シャンパン ページ11
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半分に減った、ケーキにラップをかけて冷蔵庫に仕舞うと、よく冷えたグラスを手に取った。
「・・・おいしい」
雅紀「去年もこのシャンパンだったよね？」
「うん、同じだよね？でもなんか去年はひたすら、慌しかったイメージなんだよねー？
こんな風にゆっくり味わう余裕は無かったよねー」
雅紀「まあ〜ね〜。Aは横浜から駆けつけてくれて、市役所行って。
でもって、次の日は一応程度の遅番だったしね？」
「うん、いくら遅番だったとは言え、時間よりは早く出勤しなきゃな状況だったからね？」
雅紀「・・・高木からさ、おめでとうってメールきたんだ。河村さんにもよろしくね？って」
「高木君から？私には来てないのにー！！」
雅紀「話したいこと多すぎて、止まんなくなりそうだから辞めとくって書いてあったよ」
「えー、私も話したいこと一杯あるのにー！！ リカとも最近は連絡してないしなー」
あーあ、たまにはゆっくり高木君ともくだらない話したいなー
横浜の店、どうだったかなー？去年の数字、今思うと怖いもんなー
お酒を飲んでることもあって、楽しくなってきてお喋りが過ぎた頃・・・
雅紀「・・・高木の事、俺もすげー好きだよ？だけど、今日は俺だけの事、見ててよ？」
「・・・高木君の名前、出してきたの雅紀くんだよ？」
雅紀「・・・後悔してる」
少しむくれた顔した雅紀くんは、手にしていたグラスを置くとその手を伸ばしてきた。
雅紀「これからもずっと、俺だけを見てろ」
見てろ
そんな言い方、いつもならしない雅紀くんだから
「はい」
返事をすると、目を閉じた。
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作者名：さな | 作成日時：2014年7月28日 17時
