～SMILE AGAIN ～明日の記憶『Masaki Aiba』5 (ページ2)

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愛おしい・・・ページ2

ありがとう。

今日、明子に会いたいなって思ってたから、無性に声が聞きたくなっちゃったの。

”そんな事言われたら、私も今すぐ大阪に会いに行きたくなるでしょうー！！”って明子は言ってくれて。

嬉しくって、電話を切りたくなかったけど、せっかくの大事なデートを邪魔しちゃった罪悪感にかられて、通話を終えた。

・・・はぁー・・・

雅紀くんに伝わっちゃったか・・・。

あ、でもそんな携帯なんか見れる感じじゃ無ければなー？

いいんだけどなー・・・

こんな日に誘ってくるのは、フロアーのチーマネで。
奥さんとうまくいってないらしくって、時折新婚の雅紀くんは「お前は幸せでいいよなー」なんていわれる事もあるんだって。

チーマネの寂しさを紛らわす為って判ってても、断れないのは仕方ない事だって、私だってわかってはいるんだけどなー・・・

さ！！酔いも落ち着いたし、お風呂用意しよう。

立ち上がって、洗面所に向かおうとしたその時だった。

テーブルの上に置かれた携帯が鳴っている。

・・・見ちゃったのか。

大丈夫だったのかな？電話なんかしてきてて。

通話に切り替わったとたんに、聞こえてくる声は「ごめん！！」だった。

きっと遠方にでも立ったふりしての行動だったんだろう。

小声で、口を抑えて喋ってるのが感じられる。

・・・ああ、愛おしい。

こんな風に慌てて電話をしてくる、この人がたまらなく愛おしい。

私の言ってる事なんてただの我儘で、てんでガキで夫の仕事の邪魔をしてるようなだめな嫁なのに

こんな風に甘やかされちゃうから、どんどん図に乗っちゃうのに

責められたって怒られたっておかしくなんかないのに

「まさきくん・・・ごめん・・・」

『違うよ、俺だよ悪いのは！！でしょ？』

「まさきくんは悪くない・・・！」

『聞いたよ？田中から、明子さんに電話いったって』

「ねえ、そんなことより早く戻らないと、ダメでしょ？チーマネの機嫌損ねちゃうと、明日の仕事に響くよ！！」

『うん、もう1次会終わるから、俺これで帰るから！！ね？』

あ、やべ！！じゃあ切るよ？

そう言うと私の返事を待たずに通話は切れた。

時間にして1時間もしないで会えるであろう、雅紀くんに会いたい気持ちが溢れてくる。

飲み終わったビールの缶とグラスを下げると今度こそ、お風呂の用意をした。

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