鈍感な期待 (ページ7)

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あの日から京本くんとは時々話すようになった

、、訳もなく相変わらず警戒の対象で授業で横に座っても言葉を交わすことは変わらずなかったしお互いの存在を認識してるかも怪しかった

『あ、』

図書館のお気に入りの席、
窓際で太陽の光が優しく差し込むいつもポカポカ暖かい席

今日は見知った先客

少し離れたところで見つけたからこのまま歩き去れば気づかれないから早くどこかに歩き去ってしまえばいいのに

柔らかい日差しが差した京本くんが綺麗で儚くて

「Aさん？」

見とれていた

気づかれたらもう何も言わずに立ち去るなんてできない

「ぼーっとしてどうしたの？」
『いや、考え事してて』
「そっか、勉強？」
『うん』
「座りなよ」

自分の前の席を指で2回叩く

シャーペンを持ってるのにシャーペンをわざわざ避けて指を使うところに優しさを感じる

『うん』

正面に座ると金髪に太陽の光が透けて見えて

『透けそう』
「ん？」
『なんでもない、ごめん』

慌ててパソコンを出して昨日まで作ってたレポートのワードファイルを開く
昨日の夜すぐ飽きて寝てしまったからまだ文字数は30

やってないも同然だな、なんて昨日の自分に呆れながら資料を開くと視線を感じる

「Aさんってさ」
『、、はい？』

途中で話すのを辞めたから顔を上げると頬杖をついた京本くんと目が合う