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戦いの火蓋 空夜 ページ41

「スペルカード発動!幻幽『ジャック・ザ・ルビドレ』!」
光り輝く紺碧の瞳が、望月穂花が操る雪舞桜を真っ直ぐに見据える。陽に当たってキラキラと光る、銀の流れるような長髪をなびかせ、十六夜空夜は姉のスペルカードを発動させた。
大小様々な弾幕が空夜の周囲に展開され、数秒後には桜へ切っ先を向けた大量のナイフが設置されていた。しかし、それで動揺する桜ではない。一瞬でナイフから距離を取り、すぐにスペルカードを発動させた。
「スペルカード発動。無符『弾幕失格』」
すると、突然桜を取り囲んでいた弾幕が何事もなかったかのように消失した。そして、刺すべき相手を失ったナイフは、カランコロンと音をたてて地面に散らばった。空夜は舌打ちして能力を発動し一瞬にしてナイフを回収した。
(やっぱり、一筋縄では行かない。本気でやれば楽々勝利だが、一歩間違えれば相手は死。取り敢えず、役目は巫女の到着までの時間稼ぎだ!)
「わわ!空夜さんこれ、どうしたんですか!?桜ちゃんがなんか変!」
突然、間の抜けた声がした。ふと声のした方を向くと、赤いパーカーを目深に被った黒髪の少女____外来人の新崎夏が息を切らして立っていた。空夜は咄嗟に夏を利用する事を考えた。
「新崎さん、彼女は操られている。私はなるべく彼女を傷付けたくない。協力してくれ」
「勿論!」
それを一瞥し、桜は感情の無い声で言った。
「スペルカード発動。桜符『雪桜の舞い』」
その瞬間、雪と桜を模した弾幕が展開された。広範囲に展開された高密度の美しい弾幕は、非現実的な輝きを持っていた。と、大空に短い叫びが響き渡った。動き続ける弾幕に夏が被弾したのだ。点と点の瞬間移動は弾幕ごっこに向かないのだ。
「ッ!桜ちゃん、目を覚まして!」
「く、かなり強いな。流石は雪舞の巫女だ」
二人は桜に語りかけるが、桜の意識には届かない。くそ、と空夜は吐き捨て、もう一枚スペルを取り出した、その時だ。
「スペルカード発動!氷符『アイスアロー』!」
氷の槍が桜を襲った。二人が見ると、双子らしき少女たちが臨戦態勢に入っていた。
スペルは全て避けられたが、僅かに隙が出来たのを少女は見のがさず、
「スペルカード発動。温符『暖かい光』」
スペルを発動し、夏の傷を癒した。
「傷が治ってる!?」
「…貴女達は」
空夜が問うと、
「私は藤華と申します。彼方に居るのは私の双子の妹雪華です。私達は雪舞の巫女に仕えてきた神ですね。あと、今は桜様を正気に戻す事が最優先です。手伝ってください。」
「わかった!」
「了解」

空夜の声を皮切りに、戦いの火蓋が切られた。

最悪の事態 歌音→←力をたどって 藤華



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サクラドール・フューラースカーレット(プロフ) - お話がいっぱいになった為続編を作ります! (2021年4月1日 23時) (レス) id: b68c219d90 (このIDを非表示/違反報告)
若草。@ねむねむ星人(プロフ) - はじめまして、若草と申します。更新をさせていただきます。 (2021年4月1日 21時) (レス) id: 0df262be83 (このIDを非表示/違反報告)
かぽなん(プロフ) - 更新させていただきました (2021年3月17日 21時) (レス) id: 0de375209c (このIDを非表示/違反報告)
かぽなん(プロフ) - 初めまして、かぽなんです。更新させていただきます! (2021年3月17日 20時) (レス) id: 0de375209c (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪@低浮上(プロフ) - 更新しました! (2021年3月4日 17時) (レス) id: 52e526ba44 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サナティ x他7人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2020年10月20日 17時

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