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異変よりも ナハト ページ38

「そういえば、タロットカードは順調かな?」

急にhher(主様)にそう言われてびくりと肩を揺らす。

「...問題ないよ」
「ふぅん...?」

あぁ、嫌だ。
僕の実力をみたいとかで"実践"とか言い出しそうな雰囲気だ。
忘れてほしい。

「...じゃあ、見せて」

ハートでも付きそうな勢いで言われれば反射的に「嫌だ」と否定の言葉をこぼす。
その瞬間アタシを中心とした檻ができた。
いや、鳥籠、かな...。

heer(主様)、何の冗談?」
「冗談じゃァないよ」

愉しそうに笑いながら光の無いオッドアイを瞬かせて僕を指さした。
その瞬間タロットカードが鳥籠の中に散らばる。

「...」

無言でそれを見下ろすと、重いため息をついてタロットカードを一枚拾う。
踏み潰したいが後が怖い。まだ命は大切にしたいのだ。

「で、アタシはなにすればいいの」

そう零せばheer(主様)はにっこりと綺麗な笑みを浮かべた。

「出来るって証拠を見せてくれるかな?」

あぁ、やっぱり。
知っていた。

「...無理」

素直にできないと言う。
この状況で見栄を張れるほどアタシはバカじゃない。

「やっぱり?ボク、そう思ってたんだ」

「やっぱ、heer(主様)は趣味が悪いね」

「素敵の間違いじゃないかな」

そんなことを話しながら、heer(主様)はタロットカードを指で操作する。
ふよふよと浮かんだそれは、急に速度を上げてボクの顔擦れ擦れを通りすぎだ。
ヒュ、と音がして頬に生ぬるいモノがたれたのでそれに触れると指先は赤くなった。
血が出てしまったのだ。

はぁ、とまため息を吐くと諦めてタロットカードを操ろうと力を込めた。

人里で 玄武→←異変の起こし方 ドゥンケル



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吹雪@リア充撲滅隊(プロフ) - 続編に行かせて頂きます。 (2020年6月13日 19時) (レス) id: 34269c3564 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪@リア充撲滅隊(プロフ) - 更新させて頂きます。 (2020年6月13日 17時) (レス) id: 34269c3564 (このIDを非表示/違反報告)
まいちゃ - 更新しました!(あとお話がいっぱいになりました) (2020年6月13日 9時) (レス) id: 9db8112d86 (このIDを非表示/違反報告)
まいちゃ - 更新します! (2020年6月13日 9時) (レス) id: 9db8112d86 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪@自作小説低更新(プロフ) - 更新しました (2020年6月13日 8時) (レス) id: aafc5aee29 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サナティ x他13人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2020年1月13日 14時

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