【募集企画】東方幻想記録物語 4巻

あんま影響ねえな　玄武 ページ31

四神玄武(しじんげんぶ)は、言うなれば死神。
かの説教好きな『地獄の最高裁判長』、四季映姫・ヤマザナドゥの部下である。
仕事に対し、特にこれといった自分の感情はなくとも、上の命令に従うだけでいいと思っている死神である。
死神と言っても、元は人間だったのだから、この表現が合っているかと聞かれると、実はそうでもなかったりする。
さて、『閻魔の代理人』と呼ばれる彼は、一体どんな顔をして死者を地獄へ落とすのだろうか。


「…ふあぁ〜あふ」
俺の隣にいる小町は、無防備に大きく欠伸をする。
「……ったく、そんなんじゃまた四季様に説教されちまうぞ？」
「でも死人来ないから暇なんだよね！」
その小町の発言に、俺は賛同する。
「あー。確かに、あっちではあんな異変が起きてるってのに、死人がいつもと変わらない量なんだよなぁ…」
「まぁ、疑問には思わないけど」
「そうだよな、強い奴がすげーいるし。あんま影響ねぇってのは、つまんないかもなぁ」
「そーだよねぇ…じゃあさ、一緒にサボらない？」
「は、はあ？な、んで俺が…」
明らかに俺は動揺している。
「いーじゃん！玄武がいいのー！」
駄々をこねる子供のように小町はじたばたする。
「……ったく〜、しょうがねえなぁ、どこ行くんだよ？」
「人里行こっか！」
「…了解」
結局、言われるがまま、されるがままに、俺は人里に足を運ぶこととなった。

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