【募集企画】東方幻想記録物語 4巻

オワタ　畔 ページ40

久しぶりに来た人里は賑わっており、彼方此方から美味しそうな匂いが漂っていた。

死神の私は本来ならば物を口にしなくても良いのだが、元は人間だ。
そのため目の前に焼き鳥や団子、お酒などがあるとついつい食べたくなり、フラフラとお店の方に行ってしまう。

という訳でして……



「ん〜!!焼き鳥にお酒は合いますなぁ、お姉さん、お酒もう一杯貰える？」



昼間から飲んでます。
上機嫌で足をバタ尽かせながら頼んだお酒が来るのを待つ。

程なくして笑顔が素敵なお姉さんが持ってきてくれた。

「なぁ、お姉さん。最近此処で妙な事とか起きてねぇか？一瞬胸騒ぎがしてよ、」
「いえ、起きてませんよー?御客さん、飲みすぎで酔っちゃたんですか？」
「……気のせいか、」

飲み直しだー!!と、言わんばかりの勢いで飲もうとしたが何者かの手によって酒が奪われてしまった。

「げっ……紫…」
「あら、久しぶりねぇ。何処に行ってたの？昼間からお酒なんて、ふざけてるのかしら？」
目が笑って居ない笑顔で話しかけて来る紫。
「いや、その…な？」
「私がどれ程心配したのか分からないでしょうね!?」

街中という事もお構いなしに紫の説教が始まる事を考え、畔は肩をすくめ焼き鳥を我慢して、逃げれば良かったのだと後悔していた。

暇は面倒だ　穂花→←人里で　玄武

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す