【募集企画】東方幻想記録物語 4巻 (ページ4)

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厄介な少女想夢ページ4

何処か幻想的な景色が広がっていた。
今起きている騒動など知りもしないであろう少女はそこで佇み、泣いていた(・・・・・)。

「……想夢。」

少女に話しかける女性が一人。
少女、博麗想夢は、女性の方を向くと嬉しそうに笑った。

想「ⅹⅹⅹⅹだぁ……なにしにきたの？久しぶりだねぇ……♪」

自分に抱きついてくる想夢に一瞬顔を顰めるも、頭を撫でながら女性は言った。

「なんでお前、みんなを助けに行かないんだ？」
想「？……どうして助けなきゃ行けないの？幻想郷がどうなろうと、想夢には関係ないでしょ？どうせもう忘れられた存在なんだから。」

恐ろしいほど無邪気に笑いながらそういう想夢に、女性は恐怖を覚えた。

想夢は数年前、自身の能力を駆使して異変を起こした張本人だ。
女性のⅹⅹである魔理沙が想夢を打破した事で異変は収まったが、あの時既に精神に以上をきたしていたと思うと恐ろしいものだ。
あの時、想夢は十にもなっていなかったのだから。

「……想夢。あんたはどうでもよくても、魔理沙は幻想郷を守って欲しいと思うよ。」

なるべく、なるべく優しく女性がそう言った。
魔理沙は想夢にとって、実の姉である霊夢よりも、何よりも大切な存在。
自分に世界を見せてくれた、まさに神様のような存在なのだ。

想「……ほんと？想夢が頑張ったら、魔理沙、褒めてくれる？」
「あぁ……。あのバカは、幻想郷を愛してるからね。」
想「そっか……なら、頑張ろうかなぁ……。紫さん、呼ばなきゃ。想夢ひとりじゃどこにも行けない。」

あくまで純粋に、魔理沙を慕う気持ちから隕石を壊しに向かう想夢の背中を見ながら女性は溜息をついた。

「毎度毎度……なんであたしは厄介なやつの面倒を見なきゃいけないのかねぇ……魔理沙もあれで、面倒なやつだし……。…………あいつに幻想郷を守るように仕向けたんだ、この恩は返して貰うよ。……紫。」

そう言って女性が消えた後、どこから聞いていたのか紫は呟いた。

紫「わかってるわよ……あの子、私の言うことも聞かないんですもの。この恩は、いつか必ず。……魅魔、ありがとう。」

珍しく律儀に礼を言う紫。
やはり博麗の人間である想夢には、何かしら特別な思いがあるのだろうか。
そんなこと、紫のみぞ知ることだろうが。