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幻想入りと近づく気配 さっき ページ43

「ああ、あれか。」


和華はしばらく硬直したまま森のざわめきに耳を傾けていた。

この状況を俗的には「幻想入り」と評される。和華は二次元の知識をある程度持っていた。


(幻想入りなんて面倒くさいこと、あの女は何のためにやらせたんだ。嫌がらせか?新手の)


だが、和華は知っていた。二次創作の世界において、幻想入りした人間は高確率で能力を得る。幻想郷の人々が持っているような、所謂「程度の能力」。


(しかし…)


和華は知らない。それを如何すれば知覚できるのか。とりあえず、和華は足元の土を握りしめ、グッと力を入れる。すると、土が強い光を発した。余りの明るさに、和華は咄嗟に目を閉じた。

光が収まると、手に握りしめているものが土ではないことに和華は気づいた。
手に冷たい感覚が伝わった。手を開いてみると、手から水がこぼれた。

その時、頭の中に情報が流れ込んできた。自分の能力の詳細が、何故かわからないが理解できた。
和華が得た能力は「物を変換する」と言うもの。
変えたいものの大きさの三分の一の量の材料があれば、なんでも変換が可能な能力。
先刻の場合、和華は土を水に変換したのだ。無意識に、である。
このままだと飢え死にする。それを察知し、本能が真っ先に水を欲しがったのだ。


「まったく…

なんて楽な能力だ。」


和華の楽への探究心が疼いていた。これさえあれば、こたつ、家、みかん、機械、漫画やスマホまで作れる。和華にぴったり過ぎる能力だと確信した。

喜びで溢れている和華の脳内に、一つ、幸せを木っ端微塵に破壊する不安要素が割り込んできた。
人の気配。こっちへ向かってくる人間。


「まあ、なんとかなるだろ」


和華は土を集めて座布団とこたつ、みかんと漫画を用意した。




この見事なまでに整えられただらけ装置に夏が感動するまであと五分……

どうにか止めなきゃ ステラ→←嘘でしょ 夜音



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サナティ(プロフ) - 星猫さん» 鬼滅の刃、暗殺教室、ブラッククローバー、ヒロアカ、約ネバ、進撃の巨人、刀剣乱舞とかその他もろもろですよ。 (2020年1月13日 15時) (レス) id: 249d9050a8 (このIDを非表示/違反報告)
サナティ(プロフ) - 続編の作成完了しました!リンクはります! (2020年1月13日 14時) (レス) id: 249d9050a8 (このIDを非表示/違反報告)
サナティ(プロフ) - 更新しました!後続編を作ります! (2020年1月13日 13時) (レス) id: 249d9050a8 (このIDを非表示/違反報告)
サナティ(プロフ) - 更新します! (2020年1月13日 13時) (レス) id: 249d9050a8 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - サナティさん» サナティさんの質問です。 (2020年1月13日 9時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サナティ x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2019年7月15日 18時

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