【募集企画】東方幻想記録物語 3巻

白銀の錬金術師と死 ヴァネッサ ページ22

キラリ、閃光。
銀色の金属が空中を斬り裂いた。
乱れ舞う赤、アカ、あか………
ごろん、と音がして頭に地がついた。痛すぎて痛まない痛みが首を刺激する。
_______妖夢に、首を斬られた。
続いてドタドタドタと足音がする。どうやら、逃げたようだ。

「うっ、うわぁあああ！！」

畔の叫び声が木霊する。先程「単純」と呼ばれた青年は見慣れたものを見るような、それでいてどこか悲しそうな目で此方を見ている。何故、そんな目をするのか__好奇心の触手が蠢いたがすぐに理性を取り戻して命令する。

「戯け！私は大丈夫だ！それより妖夢、いいやあの餓鬼を追え！臭いは彼奴からする！恐らく擬態していたんだろう！！」

それを聞いた二人は機敏な動きで餓鬼が逃げた方角へ足を動かした。
ふむ…と私は斬り落とされた首を元あった場所に戻しながら考える。
あの体力、俊敏性。大変羨ましいものだ。否、それよりあの餓鬼…擬態能力まで持つとは素晴らしい。どのようなメカニズムなのか是非知りたい。そしてあの単純青年の目の理由も気になる。

「ふふ…うふふふふふ………」

私は新たなる未知に心踊らせ、ひっそりと肩を揺らせた。

恐怖は恐怖でしか消せない。畔→←合流　畔

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