死の恐怖とは 珠城 ページ20
「ねぇ、妖夢」
「はい、なんでしょう？」
「畔、大丈夫？」
「畔さんなら大丈夫ですよ、強いお方です。そう簡単にやられる訳ありません」
確かな根拠でもあるのか芯を持った言葉を告げる妖夢。
彼女は聞こえなかったのだろうか。
先程までの戦闘音。獣の唸り声と共に終わった辺り、きっと畔が死んだ、なんてことはないとは思う。
黒に染まる屋敷の中を興味深く眺める。
「変なとこだね」
妙に反響する音が生々しく聞こえてすぐそこに誰かいるのではないかと勘繰ってしまう。
奥へ奥へと進んでいくうちに、耳鳴りのような音は酷くなっていく。
「そうですね、気味が悪いです」
「妖夢は怖いの苦手なの？」
「うーん、突然出てくればびっくりするかもしれませんが怖いという訳ではないですよ」
「ふうん」
「珠城さんは、」
守るように前を歩いていた妖夢がふと立ち止まる。
警戒から腰の鞘に当てていた手を下ろして驚く程無感情に名前を呼ばれる。
「ここが怖くないんですか。死ぬのが、怖くないんですか」
「・・・」
「ここは戦場です。未だ遭遇していないとはいえ、空気の異様さはその身をもって経験している筈です。先程までも畔さんが戦っていました。少し気を抜けば死んでしまうようなこの場所が、貴方は怖くないんですか」
「俺はね、ここに来る前、狩る側の人間だった。だから別に、怖くはないな。戦場って結構ありふれてる」
「死ぬのは、怖くない。死にたくはないけどね」
「・・・そうですか」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「募集企画」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サナティ(プロフ) - 星猫さん» 鬼滅の刃、暗殺教室、ブラッククローバー、ヒロアカ、約ネバ、進撃の巨人、刀剣乱舞とかその他もろもろですよ。 (2020年1月13日 15時) (
レス) id: 249d9050a8 (このIDを非表示/違反報告)
サナティ(プロフ) - 続編の作成完了しました！リンクはります！ (2020年1月13日 14時) (レス) id: 249d9050a8 (このIDを非表示/違反報告)
サナティ(プロフ) - 更新しました！後続編を作ります！ (2020年1月13日 13時) (レス) id: 249d9050a8 (このIDを非表示/違反報告)
サナティ(プロフ) - 更新します！ (2020年1月13日 13時) (レス) id: 249d9050a8 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - サナティさん» サナティさんの質問です。 (2020年1月13日 9時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サナティ x他2人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2019年7月15日 18時
