【募集企画】東方幻想記録物語 3巻

逃走　ナハト ページ24

「誰か来る」

ポツリと呟く。
足元に転がっているのは、人間の、無惨な死体。
ソレを冷めた目で見下ろすと、ガランドウの、目があったはずの場所が
こちらをじっと見つめているようだった。
軽く、空を見上げると、人影がこちらに向かってきていた。
その人影は羽がついていた。
吸血鬼のようだ。

＿＿面倒くさいことになりそう

直感でそう思った。

「逃げよう」

闇からカードを取りだし、投げる。


『――――――』

そう呟くと周りの音が、光が消えた。
静かな闇の世界。
しかし、小さな羽がはばたくような、空気を切るような音が、耳に届く。
にんまりと笑い、音とは反対側へ走り出す。
もう音が聞こえなくなった。
カードを、唇に近づけながら呟く。

「解除」

すると、闇に光が仕込み、様々な音が耳に飛び込んでくる。
...目の前は、森。


城があるところだ。

様子、様相　珠城→←恐怖は恐怖でしか消せない。畔

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