【募集企画】東方幻想記録物語 3巻

ぶらぶらと　五十鈴 ページ13

瘴気が漂う、魔法の森。私はそこをゆったりとした足取りで散歩している。本来なら、三鈴と共にミリアと対峙しているはずなのだが、何故か此処に居る。

「あら……戻ってきてしまったわ」

いつの間にか三鈴の家付近。散歩のスタート地点だ。此処は周りより、特段に瘴気が薄くなっている。よく見ると、妖夢ともう一人の人物が立っているのが見えた。

「ねえ妖夢」
「どうしたんですか凪さん」
「今三鈴さん？の家の前まで来たけど見当たらないね」

こんな事を喋っているのが聞こえた。もう一人は凪と言う名前らしい。
もう少し見ていると、妖夢がこっちに歩いてくる。

「拙いな……『停止する世界』」

妖夢に勘付かれない様に能力を使う。辺りが灰色に染まった。妖夢も、凪さんも、全ての物が静止する。動かないうちに、家の裏側に回り込み、能力を解除する。
動きを取り戻した妖夢は、そのまま遠くに行った。

「疲れたぁー！」

凪さんが、唐突に声を上げる。少しびくっとしてしまった。それから、凪さんは瞬間移動した。恐らくではあるが、人里に行ったのだろう。

「次は何処に行こうかな……？」

そんな事を数分程悩んだ。その結果、また紅魔館に顔を出す事にした。別に秘密裏では無いので、ゆったりとした足取りで。

呼び掛け 海夢→←獲物　ナハト

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