31..隆二side ページ31
.
隆「Aちゃん食べな？」
「………いらないですか？」
そんないじわるな言い方…笑
隆「じゃあ一口…」
眼鏡が湯気で曇るから邪魔臭い。
テーブルにそっと置く。
そしてAちゃんがスプーンを持ちつつ、
一口分それに乗せる。
まさかの、
あーん…きますか？
準備？……ええ、できてます。
視界はクリアでないけれど、
何となく見えますから。
よろしくお願いします。
俺の手にさっと握らせされたスプーン。
淡い期待が…見事に打ち砕かれる。
でもさ、これ…使って大丈夫？
間接キス、良いの？
「食べないんですか？」
隆「食べる食べる。でもさ…これ」
間接キスになっちゃうけど
大丈夫かな？って尋ねる。
そしたらスプーンどこにありますか？
って慌て出して。
その隙に思わずパクっといくよね。
味は当たり前に…
デミグラスソースの味しかしねーじゃん！
「ああ…！」
隆「…ん、大丈夫。ソースの味しかしないよ？
後は違うスプーンで良いからさ、残り食べな？」
「は、はい…」
困ったような声が聞こえたかと思えば、
隣で静かに残りを食べ始める。
いや、静かだな。
何も喋んなくなった。
隆「……Aちゃん？」
心配になって顔を覗きこむ。
あーもやが邪魔。
自分の視力を呪うわ。
隆「どうした？」
「何でも…ないっ…です」
隆「美味し？」
「早く眼鏡…お願いします」
隆「ん？眼鏡？」
そのまま手を伸ばして眼鏡をかけると、
今にもキスできそうな距離にいた。
Aちゃん赤面してて。
俺も思わず赤面して。
ごめんと言ってソファに項垂れた。
それ食べたら帰っちゃうんだよな…
時間が止まれば良いのに…
さっきの誤解が解けて。
張り詰めてた糸が切れて。
心臓が暴走して
空腹が少し満たされて
赤面して……
ソファに深く沈んでたら
照明の光がぼわっと揺らいできて…
そう俺一睡もしてないんだった。
瞼がすげー重い。
「眠い……ですか？」
隆「……食べたら送ってくから。
隣の部屋………だけど…はは…」
こんな貴重な時間に寝んなー。
眼鏡を外してこれでもかと瞼を擦る。
目頭もギュッと押す。
「隆二さん…？」
隆「……起きて…る……ゆっくり…食べ」
沈んだ身体に力が入ら…
気持ちに反して…
意識が…遠のいて…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 753人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sana(プロフ) - のぞみさん» ｷｭﾝｷｭﾝ落ちてたようで安心しましたっ(*´ｪ`*)毎日…はふ…鼻血が…(*´ω｀*)笑 応援なんてそんな…本当感謝です(T_T)！！ (2015年9月20日 22時) (
レス) id: ce7a44bede (このIDを非表示/違反報告)
sana(プロフ) - きゃなさん» 隆二さんにｷｭﾝｷｭﾝありがとうございますっ(*^^*)♪まだ第三章の移行準備出来てなくてごめんなさいっ！その言葉で力がみなぎりますっ(:_;)！！ (2015年9月20日 22時) (レス) id: ce7a44bede (このIDを非表示/違反報告)
のぞみ - キュンキュンが止まりません！本当毎日楽しみにしている小説です！これからも応援しています！ (2015年9月20日 8時) (レス) id: bea0b9fdde (このIDを非表示/違反報告)
きゃな(プロフ) - もうほんとに隆二くんにキュンキュンが止まりません！続きめちゃめちゃ楽しみにしてます！ (2015年9月19日 17時) (レス) id: 4ad988ee63 (このIDを非表示/違反報告)
sana(プロフ) - ゆきさん» ｷｭﾝｷｭﾝ嬉しいですっ(*´ω｀*)♪詰め寄ってごめんなさい。笑 頑張って早く書き綴りますっ！19時の謎、隆二さんの優しさ溢れてしまいそうですっ(*´ｪ`*)！天然故、いらん事も第三章でポロリ発言しちゃいますっ笑 (2015年9月19日 8時) (レス) id: ce7a44bede (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sana | 作成日時：2015年8月28日 20時
