23 ページ23
.
帰宅途中、近所のコンビニで
夜ご飯を購入して。
私は歩きながらも袋の中を覗きこんでは
美味しそうな匂いをクンクン嗅いでた。
案の定、完全なる前方不注意。
「…ひゃっ！」
足首がぐにゃんと捻れて
前につんのめり
変に崩れた体のバランスに
逆らうことはできず。
あ…転んじゃうんだ…
私のオムライス…
デミグラスソース…大丈夫かな……なんて。
スローモーションがかった景色…
地面にこんにちわ…
迫りくる現実とは
予想に反して。
突然グィっと
後ろに引っ張られる。
「……へ？」
視線を落とせば
お腹に食い込んでいるのは男の人の腕。
そしてその人に全体重を預けている私。
甘くて…それでいて
少しツンとくる…
そんな大人の色香に後ろから包まれてる。
「絶対…転ぶと思っ……危ね」
頭上から降ってきたのは
聞き覚えのあの声で。
恐る恐る振り向くと…
「……臣っ…さん！」
臣「何…やってんだよ」
布越しの肌の感触と
じわじわ感じる体温。
私は今…
臣さんの全身で抱きかかえられてる…
それに気付いた心臓が
ドクドクと波打ち始める。
臣「ばーか」
「ば、ばかって！」
そんな私とは裏腹に
澄まし顔で暴言を吐く臣さん。
助けてもらっておきながらも、
ムッとしてしまう。
「前見て歩けよ…危ねえじゃん」
少し眉間に皺を寄せた低い声。
「い、いつ私って気付いた…んですか？」
臣「ん？コンビニから出てきてすぐ。んで、袋ん中に顔なんか突っ込んで。変な女が前歩いてた」
「なっ……！」
あんな不気味な行動見られてしまったんだ…
穴があったら入りたいとは
まさにこの事なんじゃ。
でも今だ密着し合うこの状況に。
一度湧き上がった熱が
更に勢いを増して。
臣さんの腕をぎゅっと掴んで
地面に話しかけた。
「もう大丈夫…です…」
臣「何が？」
「…これ…」
臣さんの腕を更にぎゅっと握る。
臣「何、離して欲しいの？」
「そ、そう…です」
臣「ふーん…」
ふーんって…
後ろを向くと不機嫌そうな表情。
臣「何その冷たい顔…」
冷たい顔じゃなくて…
強張ってるだけです…
こんな密着具合じゃ…
普通固まってしまう…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 753人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sana(プロフ) - のぞみさん» ｷｭﾝｷｭﾝ落ちてたようで安心しましたっ(*´ｪ`*)毎日…はふ…鼻血が…(*´ω｀*)笑 応援なんてそんな…本当感謝です(T_T)！！ (2015年9月20日 22時) (
レス) id: ce7a44bede (このIDを非表示/違反報告)
sana(プロフ) - きゃなさん» 隆二さんにｷｭﾝｷｭﾝありがとうございますっ(*^^*)♪まだ第三章の移行準備出来てなくてごめんなさいっ！その言葉で力がみなぎりますっ(:_;)！！ (2015年9月20日 22時) (レス) id: ce7a44bede (このIDを非表示/違反報告)
のぞみ - キュンキュンが止まりません！本当毎日楽しみにしている小説です！これからも応援しています！ (2015年9月20日 8時) (レス) id: bea0b9fdde (このIDを非表示/違反報告)
きゃな(プロフ) - もうほんとに隆二くんにキュンキュンが止まりません！続きめちゃめちゃ楽しみにしてます！ (2015年9月19日 17時) (レス) id: 4ad988ee63 (このIDを非表示/違反報告)
sana(プロフ) - ゆきさん» ｷｭﾝｷｭﾝ嬉しいですっ(*´ω｀*)♪詰め寄ってごめんなさい。笑 頑張って早く書き綴りますっ！19時の謎、隆二さんの優しさ溢れてしまいそうですっ(*´ｪ`*)！天然故、いらん事も第三章でポロリ発言しちゃいますっ笑 (2015年9月19日 8時) (レス) id: ce7a44bede (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sana | 作成日時：2015年8月28日 20時
