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「お兄ちゃんは、私が中学生の時に癌だと分かって、入院することになりました」
出来るだけ淡々と喋ろうと努める。
先生は急かしたりせず、黙って聞いてくれていた。
「お兄ちゃんが大好きだった私は、毎日のように病院へお見舞いに行っていました」
癌、という響きは私を酷く不安にさせた。
その単語は人の命を奪うような、絶対的な禍々しさを秘めていた。
不安に急き立てられるように、私はお兄ちゃんの病室に足を運んだ。
「お兄ちゃんは�狄看曚垢襪吻瓩辰鴇个辰討い燭韻譴鼻�中々良くならなくて。
抗癌剤治療を受けることになりました。
それでも回復することはなくて…
お兄ちゃんが病室にいる光景が、当たり前になっていきました」
その頃から、お兄ちゃんは目に見えて痩せていった。
拒食気味になっていたそうだ。
抗癌剤治療の副作用だそうだ。
全部、お兄ちゃんが死んだ後に知ったことだった。
「会いに行く度に、分かるんです。
ほんの僅か、1ミリくらいの変化だけど、確かに分かるんです。
お兄ちゃんが、日に日に細くなって、
肌の色が薄くなって、
笑顔が弱々しくなっていくのが。
それでも私はいつかお兄ちゃんの癌が治ると信じて、病院に通い続けました」
その日も、雨が降っていた。
��A、また来たのか��
病気なぞどこ吹く風と言わんばかりに、はつらつと笑ってみせるお兄ちゃん。
�牴箸世箸�母さんが勉強しろってうるさいんだもん。
はい、これお見舞い��
言いながら、私は近くの棚に最中を置いた。
お兄ちゃんの大好物だった。
�爐鼻爾皚�
お兄ちゃんは笑ってお礼を言ったけれど、それに手を伸ばすことはしなかった。
目を細めて笑うお兄ちゃんの、白くて細い腕に点滴が繋がれていた。
抗癌剤の副作用で髪が抜けてきてるから、頭には白いニット帽を被っていた。
外に出ていないせいで肌の色も薄くなっていた。
お兄ちゃんの病室は、真っ白だった。
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さな×りお(プロフ) - 緑えいたぁーさん» えぇ…ありがとうございます！ めっちゃ嬉しいです更新頑張ります！ (2019年5月3日 20時) (
レス) id: e17c1230c5 (このIDを非表示/違反報告)
緑えいたぁー(プロフ) - さなさんとりおさんの書くお話が大好きです！いつも楽しみにしています！もしかしたら歳近いんじゃないかな〜って思ったりしたりしなかったり…御二人のファンとしてずっーと応援してます！ (2019年5月2日 22時) (レス) id: 847f0c09f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな×りお | 作成日時：2019年4月24日 22時
