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布団にはまだ先生の温かさが残っていた。
それが先生の生きている証みたいで、少しほっとした。
「ごめんな」
先生は謝った。
先生は何一つ悪くないのに、謝った。
「お前をちゃんと合格させて、卒業するまで見届けるから」
先生はそう言って私に笑いかけた。
弱々しい、覇気のない笑顔だった。
終わりを感じさせる笑顔だ。
そう思った瞬間、両目から涙が溢れてきた。
あとからあとから零れて止まらなかった。
布団の上に、ぼたぼたと濃い染みを作っていく。
喉の奥から嗚咽が漏れた。
抑えられなくて、声を上げて泣いた。
死んでしまう。
先生がいなくなってしまう。
どうして気づかなかったんだろう。
先生が苦しんでいるなんて欠片も思わず、自分のことで悩んでばかりいた。
馬鹿か、私は。
嫌だ。
先生が死ぬなんて嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
シーツをしわくちゃになるまで握り締めて、私は声の限りに泣き叫んでいた。
喉の奥にあったつかえがとれて、心の中に溜まっていたものが全部吐き出されるような気分だった。
声が枯れ、喉が枯れ、肺は軋むように痛んだ。
命が搾られていくようで、このまま泣き続けていれば私という人間は壊れてしまうんじゃないかと思った。
それでいいと思った。
それでいい。
壊れてしまえ。
「蒼井」
シーツを握り締める手に、先生の手が重なった。
そのまま手を握られ、引き寄せられる。
気づいたら先生の腕の中にいて、
私は抱きすくめられていた。
びっくりして涙が止まった。
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さな×りお(プロフ) - 緑えいたぁーさん» えぇ…ありがとうございます！ めっちゃ嬉しいです更新頑張ります！ (2019年5月3日 20時) (
レス) id: e17c1230c5 (このIDを非表示/違反報告)
緑えいたぁー(プロフ) - さなさんとりおさんの書くお話が大好きです！いつも楽しみにしています！もしかしたら歳近いんじゃないかな〜って思ったりしたりしなかったり…御二人のファンとしてずっーと応援してます！ (2019年5月2日 22時) (レス) id: 847f0c09f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな×りお | 作成日時：2019年4月24日 22時
