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床に倒れ込んだ甲斐君は唖然とした表情で、たださくらを見上げている。
「あんた達に何が分かんの！？
澪奈の、何が分かんの？」
さくらは肩で息をしながら、教室を見回した。
「澪奈はいっつも凛としてて、結局薬 物なんてやってなかったし。
なのに情報に踊らされて彼女を追い詰めたのはあんた達じゃない！
なんで死んでまで澪奈が悪口言われなきゃいけないの」
さくらの頬を、一筋の涙が伝った。
「許せない。
…絶対許せない。
…でも、1番許せないのは私だ。
私は澪奈を被写体としてしか見てなかった。
先生の言う通り、澪奈が手紙を書いたのには、ちゃんと意味があった」
さくらは水色の紙切れを取り出した。
4つ折りのそれを、大事そうに開く。
「さくらとは、友達になれない。
…滲んでるの。
なれないの文字が、澪奈の涙で滲んでるの」
ある光景が頭に浮かんだ。
1人机に向かって手紙を書く、景山さんの姿。
その瞳から1粒の涙が零れて、手紙に落ちる。
「手紙を書いたのはきっと、伝えたかったから。
本当は違うんだよって、
本当はずっと友達だよって、
伝えたかったから。
私はそれに気づこうとしなかった。
気づかないふりをした。
怖かったから。
私も澪奈みたいに、みんなに無視されるのが怖かったから」
教室に、重苦しい空気が立ち込めた。
空気。
景山澪奈を無視しようという、空気。
それを乱せば、次は自分がターゲットにされると思わせる空気。
それが、2人の仲を引き裂いた。
「私は澪奈のSOSを踏みにじった。
澪奈が自 殺したのは、私のせい。
私のせいで、澪奈は命を絶った。
ごめん。
ごめんね澪奈」
「それがお前の答えか？」
先生はさくらに問いかけた。
「お前のせいで景山澪奈は死んだ。そうだな？」
「…はい」
さくらは頷いた。
先生は俯き、考え込むように目を閉じた。
今先生は、何を考えているんだろう。
何を思っているんだろう。
先生は顔を上げた。
「残念ながら今の答えは不正解だ」
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さな×りお(プロフ) - かなとさん» 指摘していただきありがとうございます。訂正いたしました。 (2019年4月1日 18時) (
レス) id: e17c1230c5 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年4月1日 16時) (レス) id: 977ff24faa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな×りお | 作成日時：2019年4月1日 15時
