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「どう？ 考えはまとまった？」
教室に向かって、先生が問いかける。
さくらの席に歩み寄り、机に両手をついた。
「…もうちょっと」
「誰か死ぬんだ答えたくない気持ちは分かる。
でも、もう8時まで時間がない」
先生は時計を見遣る。
タイムリミットの8時まで、あと15分だった。
「答えられなきゃこの教室ごと木っ端微塵だぞ」
そう告げて先生は教卓に戻った。
さくらは答えない。
沈黙が教室を支配した。
「…さっきの言えばいいんじゃない？」
宇佐美さんが、背中を押すようにさくらに呼び掛けた。
話に出ていた景山さんのドーピングのことだろう。
諏訪さんや水越さんも、あとに続く。
「あれでいいと思うけど」
「私も」
その言葉の裏に、別の声がまじって聞こえてきた。
私らがいいって言ってんだよ。
だから早く…
「さっさと言えよ！！」
癇癪を起こした甲斐君が机を蹴り飛ばした。
「…景山澪奈は、今年の全国大会でドーピングしたことがバレて自 殺した」
「それがお前の答えか？
…それでいいんだな？」
甲斐君が立ち上がって椅子を蹴る。
「しつけえな、いいに決まって」
「茅野に聞いてんだ！！」
先生は甲斐君を怒鳴りつけた。
先生が激昂するのを初めて見た。
圧倒され、誰もが押し黙る。
「お前が景山の何を見てきて、何を見てなかったのか、よく考えるんだ」
「…今更何を言ったところで澪奈は帰ってきません」
「確かに、景山を失った過去を変えることはできない。
でもこれからのお前を変えることはできる。
自分自身で考えて、答えを出すんだ」
「…あのさあ、あんた達2人の世界に入ってるみたいだけど、もう答えは出てるから」
宇佐美さんの声が割り込んできた。
「澪奈は水泳界のプレッシャーに押されてドーピングに…」
「違う」
さくらは被せるように、はっきりと否定した。
「澪奈が自 殺したのは、そんな理由じゃない」
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さな×りお(プロフ) - かなとさん» 指摘していただきありがとうございます。訂正いたしました。 (2019年4月1日 18時) (
レス) id: e17c1230c5 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年4月1日 16時) (レス) id: 977ff24faa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな×りお | 作成日時：2019年4月1日 15時
