[ N10 ] 6 ページ7
「怖い...守りたい...？ じゃあ君たちにはもうはっきりと “感情” があるんだ？」
男がブツブツと呟く。
「感情？」
「ああ、あぁ、そう、そうなんだよ。
まだね、N型の君については、学習過程を導入した個体だから、個体差といえどもそういうこともあるかなとは思うんだけど、AM1224については、これは、不思議でならない。本来スッカラカンな状態で生まれてくるはずなのに、AM1224は感情をもともと持って生まれたんだね。ははぁ。面白いなぁ」
早口で、次から次へと飛び出す言葉。
こんな暗い場所には似合わない、好奇心に溢れた声だった。
感情か。ふぅーんなるほど。
「僕以外のN型がおかしかったのも、そういうことですかね？ 感情が無いから、何も反応しない？」
「まぁ、そういうことだよ。賢いねぇN10？」
男は檻の外で笑った。白い歯が闇に浮いている。
「でも......主語が違うね。 『あの子達以外のN型がおかしい』んだよ。つまり、この場合おかしいのは君、及び君達だ。」
「......」
「感情が無い、とは言っても、育て方次第で思考回路はどうとでも都合よく作っていける。クライアントのニーズにあった性格にも設定していけるさ。
けど、元からそれがあっては邪魔でしょうがない...。
現に君は...未発達なわけではないのに、恐怖の感情からアビリティの使用を躊躇っただろう？
それじゃ駄目なんだよ。なぁ。賢いN10なら分かるだろう？」
早口でまくし立てた男は檻に一層歩み寄り、首をゆるく傾げて僕にさらに尋ねる。
「これから君達を待っているのは君らの身体的にも精神的にもつらーい実験の数々だ。
だが、賢いN10には元に戻るチャンスをやろう。
アビリティを使えると証明して、感情に任せて歯向かわないと誓えばいい。そうすればすぐに檻から出して、相応の仕事を与えるよ。
...どうする？」
自分の運命を選ぶ権利を与えられた僕は、...生まれてからのこの短い生活のことを思い出していた。
たった1ヶ月にも満たない、味気ない日々だ。いいところは、檻の中よりはマシってところだけ。
「...はい。説明を受けた限り、僕たちは完全に施設の人間及びクライアントの管理下にあります。
僕のような “和を乱す” 個体がいては不都合だろうと思います。」
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さなり(プロフ) - 渚さん» 渚さん！になられたんですね！コメありがとうございます、お久しぶりです！！やっと帰ってきたら書き方をすっかり忘れてしまいました...＼(^o^)／ これからまたゆっくり更新して行きます！よろしくお願いします！ (2017年3月25日 22時) (
レス) id: a13611bfe8 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - さなりさんお久しぶりです！元まなぱんでございます。更新楽しみに待っておりました！これからも拝見させていただきます！ (2017年3月24日 21時) (レス) id: ebb9cd134c (このIDを非表示/違反報告)
さなり(プロフ) - まなぱんさん» まなぱんさん！わぁーお久しぶりです！ 久々に届けた更新通知がタイトルの変更だけだったなんていう愚かな私をどうかお許しください...！ うう、ありがとうございます。受験生ツライですね、日々ストレスです(；；) お互いに頑張りましょう！健闘を祈って！！ (2016年7月18日 20時) (レス) id: a13611bfe8 (このIDを非表示/違反報告)
まなぱん(プロフ) - さなりさんお久しぶりです。受験頑張ってください!私も受験なので一緒に頑張りましょう! (2016年7月18日 19時) (レス) id: ee00c10666 (このIDを非表示/違反報告)
さなり(プロフ) - あゆまま娘さん» あゆまま娘さんお久しぶりです！反応遅れてごめんなさい;; コメントは気がむいた時で構いませんよ！いつも励まされてます(*^^*) 最近忙しくて、息抜きでお話を考えてます...もっと時間が欲しい！ 今作も見届けていただけると嬉しいです！よろしくお願いします〜！ (2016年2月19日 15時) (レス) id: a13611bfe8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さなり | 作成日時：2016年2月13日 2時
