[ N10 ] 3 ※グロ注意 ページ4
次々と披露されるチカラに、僕の心は踊った。
どれも違って、奇想天外。予想も出来ない。
だが、それを兄弟たちが無表情でやっているのが不思議でたまらない。
興奮を露にして、はふはふと呼吸をしているのは僕だけだ。
もっと、楽しい顔ですればいいのに！
…と、馬鹿みたいに喜んでいた矢先に、それは起こった。
進み出たN8。また始まるショー。
僕はその一挙手一投足を見逃すまいと熱い視線を向ける。
すると、N8の身体が羽根が生えたみたいにふわりと浮いた。
(すげえ！)
またも感嘆した、その、瞬間、
N8の弾かれたような叫び声。
言語的には理解出来ない、ぶっ壊れた叫び。僕と同じ高い声。
そして、N8の手足、胴体が激しく痙攣し、
ぶちん、ぶつん。
ぶしゅ、ちゃぐちゃぐべちぁ
……気付けば彼は、そのまま空中で千切れていった。
無惨に離れたN8の腕が、プロペラみたいに回転し、切断部から血を吹き出しまき散らしながら僕の足元に落ちた。
液体の感覚が肌を伝う。
N8の腕の血を、僕はモロに被ったようだった。
は？
前方に出来た大きな赤い水溜まり。
僕だけでなく、他の兄弟たちにも降り注いだN8であったはずの赤黒いモノ。
急に眼前に広がった景色は、あまりに刺激的。
(ああ、やばい)
理解する前に僕は唐突に悟った。
『失敗したら僕もこうなる』、と。
ぞっとした。きっと今の僕の顔面は蒼白だろう。
けれど、次に控えていたN9は普通の面持ちで歩み出していった。
彼は、N8の骨を蹴り、臓物を踏みつけて、血溜まりの中もぺちゃぺちゃと足音を鳴らして通っていった。
横に並ぶ他の兄弟たちもみんなそうだった。
動きも、狼狽えもせず。ただそこで次の指令を待っていた。
こいつらは、なんにも感じてはいなかった
N9のチカラは何だったのか。彼はいつの間にか彼は戻ってきていた。
次は僕の番だった。
わからない。
どうしてこんな恐ろしい紙一重の芸当を何も恐怖せずにやれるんだ。
猫背然り、態度然り、ほくろ然り、『違う』のは僕じゃない。
つまり、こいつらが『おかしい』のだ。
一歩踏み出す。二歩踏み出す。
何かに見られている気がして視線を下ろすと、
N8の目ん玉がぎょろりと僕を見上げていた。
し に た く な い
一言浮かんだ。充分だった。
「出来ません」
僕が小さな声で叫ぶと、部屋の錠が解かれる音がした。
僕はN8の残骸の前で膝をつき、
そして気を失った。
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さなり(プロフ) - 渚さん» 渚さん！になられたんですね！コメありがとうございます、お久しぶりです！！やっと帰ってきたら書き方をすっかり忘れてしまいました...＼(^o^)／ これからまたゆっくり更新して行きます！よろしくお願いします！ (2017年3月25日 22時) (
レス) id: a13611bfe8 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - さなりさんお久しぶりです！元まなぱんでございます。更新楽しみに待っておりました！これからも拝見させていただきます！ (2017年3月24日 21時) (レス) id: ebb9cd134c (このIDを非表示/違反報告)
さなり(プロフ) - まなぱんさん» まなぱんさん！わぁーお久しぶりです！ 久々に届けた更新通知がタイトルの変更だけだったなんていう愚かな私をどうかお許しください...！ うう、ありがとうございます。受験生ツライですね、日々ストレスです(；；) お互いに頑張りましょう！健闘を祈って！！ (2016年7月18日 20時) (レス) id: a13611bfe8 (このIDを非表示/違反報告)
まなぱん(プロフ) - さなりさんお久しぶりです。受験頑張ってください!私も受験なので一緒に頑張りましょう! (2016年7月18日 19時) (レス) id: ee00c10666 (このIDを非表示/違反報告)
さなり(プロフ) - あゆまま娘さん» あゆまま娘さんお久しぶりです！反応遅れてごめんなさい;; コメントは気がむいた時で構いませんよ！いつも励まされてます(*^^*) 最近忙しくて、息抜きでお話を考えてます...もっと時間が欲しい！ 今作も見届けていただけると嬉しいです！よろしくお願いします〜！ (2016年2月19日 15時) (レス) id: a13611bfe8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さなり | 作成日時：2016年2月13日 2時
