32.「このチカラは君のために。」 [ Mside ] ページ32
かずのチカラで飛ぶ闇夜には、月がぽっかりと浮かんでいた。
フードから焦げ臭い匂いがして。
それが鼻につく度に、思い起こされる。
燃えるような赤い目、
満たすような緑の目、
透けるような青い目。
「僕たちだけじゃなかったんですね。」
先を飛ぶかずが、ぽつりと言う。
「、、うん。俺たちの他に3人もいたんだな」
双子ならではの以心伝心なのかな。
いつも、そう。
お互いに、言わなくても伝わる。
心が共鳴する。
一種、テレパシーみたいなものなのかもしれない。
だからこそ、恐いんだ。
かずのことが分からなくなる瞬間が。
いつからだろう。
かずが、強さを、あからさまに求めるようになったのは。
残酷な、俺の知らない顔をするようになったのは。
その瞬間だけは、かずが分からなくなる。
恐い。
いつか、取り返しのつかないことをしてしまうんじゃないか、って。
かずが罪を、十字架を背負うことになるんじゃないか、って。
きっと、それを止めるのが、弟の俺の使命なんだろう。
だから、俺のチカラはこれなんだ。
はじめて使った時みたいに、
かずを守れるように。
今みたいに、
暴走するかずを、止められるように。
さっきも、俺はバレないように、虎を助けた。
かずが、“ 命を奪う ”という十字架を背負わないように。
俺のバリアは溶けるときに、一瞬ではあるけど、
とても柔らかい物質になる。
幾重にも重ねたバリアを意識的に溶かして、クッションの代わりにした。
粉塵や地面の凹みは、俺が地面に張ったバリアを急激に凹ませて、わざと作ったんだ。
クッションのカムフラージュとして、
何より、かずが満足するように。
月の光で、かずの華奢な体が照らされている。
なあ。かず。
あの頃より、俺も強くなったんだよ。
だから、かずのことは、俺が守るから。
守ってもらってばかりは、もう嫌だから。
「かず、」
「なんですか？」
「一人っきりで、何処かに飛んでいったりしないでね？」
かずは俺の方を振り向いて。
ふふって笑って。
「潤を置いて、何処かになんて行きませんよ。
潤と一緒に飛ぶために、このチカラはあるんだから。」
かずの顔は優しくて、
また、心が共鳴するのを感じるんだ。
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カズ(プロフ) - 教えてください、ありがとうございます！早速続きを更新しようと思います。 (2014年12月17日 14時) (
レス) id: cff50c7d31 (このIDを非表示/違反報告)
さなり(プロフ) - カズさん» まずログインして続きを作りたい作品のページに行って、作品紹介の上辺りかページの最後辺りに「編集する」ってボタンがありませんか？そこをポチッっとすると続きを作れますよ。こ、これでいいでしょうか…?? (2014年12月14日 16時) (レス) id: c9c95ba63f (このIDを非表示/違反報告)
カズ(プロフ) - 簡単に言うと一回更新をした後に、時間がたったときの二回目に更新をするときのやり方です。 (2014年12月14日 13時) (レス) id: cff50c7d31 (このIDを非表示/違反報告)
カズ(プロフ) - 最初に更新をするじゃないですか。その後に一日二日たったときに更新をするのはどうすればいいですか？ (2014年12月14日 12時) (レス) id: cff50c7d31 (このIDを非表示/違反報告)
さなり(プロフ) - カズさん» カズさん。いえいえ！お気になさらないでください(＊´∀`＊) …ごめんなさい。質問の意味がよく分からないのですが……(´・ω・`) あ、小説書き始められたのですね！楽しみにしています。 (2014年12月13日 17時) (レス) id: c9c95ba63f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さなり | 作成日時：2014年7月19日 17時
