恋情 ページ8
再びあれよあれよと流され、無惨は布団にくるまっていた。
少女の長女故の手馴れた寝かし付けスキルと子守唄によって数秒後には気持ちよく夢の中へ旅立っていった。
＿＿＿＿＿
「ッ？！？」
がばっと勢いよく起き上がる。
いつの間にか寝てしまっていたことに非常に驚いた無惨。鬼となってからは睡眠など必要ない。そのため、こんなにも安らかに眠ったのは久方ぶりだ。
人間時代でさえあまり経験のない感覚だった。
右手に違和感を感じ、そちらに目をやると少女が手を握り締めながら寝ていたのだった。
Aには他意はなく弟妹と同じように寝かし付けた上、自害の意志などなくしてくれるよう現世に留まらせるために引き止めていた。
願わくば、残していく人々を考え、今後一切命を捨てるなどやめてくれますようにと。
しかし、無惨は見事に勘違いを犯してしまった。
この娘、私に恋情を抱いているな、と。
見事に拗らせている思考の持ち主の無惨はその答えに行き着いてしまった。
わざとらしく、はぁ、とため息を漏らす。
勘違いも甚だしいが、それを正してくれる少女の家族は未だに眠りについている。
気配は暗く、月光の差している。夜の世界だ。
夜明け前には目が覚めたらしい。
なんて運がいいんだ。
握られた右手をそのままに左手で少女の肩を優しく揺する。それに気づいた少女が微睡みながらも目を開ける。
「….......ん、どうか、なさいましたか？」
「……いや、夜が明ける。そろそろ出ようかと」
お帰りになられるのですね。と無防備に眠そうに目を擦る仕草に胸の高まりが止まらない。頬の火照りと、なぜだか息まで荒くなってくる。
いや、待て。私は変態ではない。
先程の少年の視線を思いだし、心の中で否定する。
「名を、教えてくれ......」
「私、神楽Aと申します。ふわぁ......貴方は？」
貴方、貴方だと？？
まるで夫婦みたいじゃないか。と、脳内で盛大に突っ込む。もちろん満更ではない。
あ、いやいや待て。落ち着け。私は変態ではない。
「鬼舞辻無惨だ」
「鬼舞辻、無惨さんですね」
小さな花の香りのように心地よい声で名を紡ぐ。
相変わらず鼓動がトクトクとが鳴っている。むしろ酷くなる一方だ。ほっそりとした華奢な体躯にまで若干の興奮を憶える。
いや、何度も言うが私は変態ではない。
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佳恋(プロフ) - 氷柱 氷龍さん» ございます！救済しましょうかねwこれからもご愛読よろしくお願いします！！ (2020年8月4日 11時) (
レス) id: 052cbbf88a (このIDを非表示/違反報告)
氷柱 氷龍 - お願いしますカナエさんを出来れば死なせないでください！面白いです！w(゜o゜)w<WOW (2020年8月1日 17時) (レス) id: bd22a3d64d (このIDを非表示/違反報告)
佳恋(プロフ) - dinner bornさん» あ！そうですごめんなさい！途中で設定変えたんです！直しときます！！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 49831120ad (このIDを非表示/違反報告)
dinner born - 父親は他界済みとあるのに、ページ12には父親が1番に目を覚ましていました。 これは、作者のミスでしょうか.........？ (2020年5月23日 15時) (レス) id: 1da8ba8178 (このIDを非表示/違反報告)
佳恋(プロフ) - 光華さん» ですよね！煉獄さんは神ですから死んで欲しくないですよね、、(切実)柱続行は無理でも、必ず死なせません！！笑コメントありがとうございます！励みになります！！ (2020年5月13日 9時) (レス) id: 49831120ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佳恋 | 作成日時：2020年4月25日 13時
