水柱と鬼の奮闘記【冨岡義勇】

初恋 ページ7

少女がいそいそと布団を敷き始める。こちらにどうぞと言われ無惨の胸はどきりと心臓が鳴る。



いやいやいやいや、どきりじゃない。落ち着け。





「外は雪で足元が悪いです。せめて朝までゆっくりしていってください。質素な造りで申し訳ございません」
「いや、こちらこそすまない。一晩厄介になる」


すまなそうに眉を寄せる少女に反射的にそう答えてしまった。

囲炉裏が宿すゆらりと小さな灯火に少女の上半身が照らされる。羽織を纏わず白地に桜が散りばめられた寝間着のみを着用している。

よく見れば胸元がはだけ＿＿＿＿＿＿




やめろ少年。そんな目で私を見るな。
そもそもお前たち人間を喰いに来たんだ。






目を細めながら再び少女を見やる。
とにかく、こいつから喰ってやろうと狙いを定める。



うんうん、細身だが長女のようだし食べ応えはあるだろう。その後に両親を＿＿＿






計画を立て脳内で悪い笑みを浮かべていると、少女と目が合った。


すると少女はにかむように微笑む。






キュン、やっぱ好き。






恋愛脳の女子高生のような言葉が脳裏を過った。







鬼舞辻無惨、人生と鬼生の両方においての初恋おめでとう。

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