水柱と鬼の奮闘記【冨岡義勇】

IQ3 ページ27

初恋真っ最中の青臭く、甘ったるい思考をしている無惨の知能は今や思春期の中学生並みに面倒くさいことになっていた。


無惨の計画では今夜、花束を渡し、愛を囁き合い、これからを隣で生きていくことを誓い、閨を共にする予定であった。

この計画の前提にはAが無惨に好意を抱いていることが挙げられるのだが無惨は無視していた。むしろAと両思いだと信じて疑わないため、この計画が頓挫し、鬼殺隊に更なる憎しみを感じているのであった。



本当にどうしようもない。


雷に打たれて金髪になる予定の隊士が今の無惨を見れば、号泣と絶叫オンパレードのツッコミをしてくれることだろう。




「っ！そうだ！Aも鬼となったのだからどこにいるかなど簡単に、」



わかる、と続くはずだった言葉が途絶えた。
Aの位置を把握できないからだ。




「！？！？な、なぜだ…！？ま、まさかこれも鬼殺隊の仕業かっ！！！」



他の鬼であれば位置、思考など簡単に把握できるが、Aの情報が全く入ってこない。


頭に浮かぶのは昨夜の優しく微笑むA。無惨の記憶の中にのみ生きるAである。



え、睫毛長っ。肌白っ。髪の毛トゥルントゥルン。

あ、かわいいすき。






「ああ！！待っていてくれA！！」




Aへの思いを叫ぶ無惨だが、その無惨の呪いをAが自力で解いたとは考えもしていない。

しかも鬼となった瞬間から家族を守るという強い意志により、すぐに呪いが解けていた。



Aとの出会いにるんるんだったためすぐに確認しなかった無惨の落ち度である。



「鬼殺隊を倒し、必ず迎えにいく…！！」






改めて言う。
鬼の親玉鬼舞辻無惨、初恋思春期真っ最中。





たとえ輪廻転生し平和な世の中で某キメツ学園の学生となったセーラー服姿のAに出会ったとしても、同じ学校の体育教師やその他諸々に尽く邪魔され、絶対に実ることのない恋に胸を熱くしている。





それに気づくときは来るのだろうか.........。




＿＿＿＿＿


唐突ブッコミ！大正コソコソ噂話！！！


神楽家に藤の花を仕掛けたのもAさんの家族を埋葬したのも、全部鱗滝さんだよ！
錆兎と義勇には内緒で昼間のうちに行ったらしい！

Aさんはその間お昼寝してたみたいです.........！



｢無惨への牽制が出来ておったらいいだろう........。Aの家族もあのままというのは報われん｣

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