遭遇 ページ17
匂いの先には小さな御堂があった。
｢大丈夫、ですか！........あ、｣
語尾は声にならず、空気へ溶けていく。少女を支える腕の力が抜けそうになる。
人の肉を抉る咀嚼音。ぐちゃぐちゃと何かを掻き回すような水音。
＿＿＿＿＿人喰い鬼。
｢........何だァ.......？人間か.......。ヘヘッ丁度いい。まとめて俺が食ってやるよォ｣
不味い。義勇は真っ先にそう思う。
最終選別を受けていない義勇は当然鬼殺隊員じゃない。日輪刀も手にしていない。あるのは鱗滝が護衛用にくれた小刀だけだ。
もし御堂に生存者がおり、救えたとしよう。そうすれば、義勇がここで死んでも人を守れた名誉な死だったかもしれない。
だが、御堂に生存者はいない。ここで義勇がこの鬼に殺られれば背の少女も命を落とすことになるだろう。
何としてでも少女だけは守らなくては。
と、いきがってみても小刀で鬼に勝てるとは思えない。
気配から何人も人を食っておらず新米であることが窺える。
義勇にできることといえば、精々日が照るまでの時間稼ぎくらいだろう。
しかし現在の時間帯は夜明け寸前でも何でもない。
寧ろ早朝だ。普段なら鬼は日に怯え息を潜めている刻だが、今は日が厚い雲に隠されてしまっている。
鬼は痛くも痒くもなさそうに薄気味悪く嗤う。
｢子供じゃねぇか。美味いんだよなァ。ヘヘッ運がいいなあ.........｣
怯みそうになる足を奮い立たせ鬼を睨む。
そのときだった。
肩からぶら下がるAの指先がピクリと動いた。
それに気づき急いで視線を移した義勇は厚く積もった雪に脚をとられてしまい後方に倒れこむ。
運悪くそこには地面がなく崖の下が視界一面に広がる。
義勇は落ちて行く視界の中で異様に長く鋭くなっているAの爪を無意識に見つめていた。
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佳恋(プロフ) - 氷柱 氷龍さん» ございます！救済しましょうかねwこれからもご愛読よろしくお願いします！！ (2020年8月4日 11時) (
レス) id: 052cbbf88a (このIDを非表示/違反報告)
氷柱 氷龍 - お願いしますカナエさんを出来れば死なせないでください！面白いです！w(゜o゜)w<WOW (2020年8月1日 17時) (レス) id: bd22a3d64d (このIDを非表示/違反報告)
佳恋(プロフ) - dinner bornさん» あ！そうですごめんなさい！途中で設定変えたんです！直しときます！！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 49831120ad (このIDを非表示/違反報告)
dinner born - 父親は他界済みとあるのに、ページ12には父親が1番に目を覚ましていました。 これは、作者のミスでしょうか.........？ (2020年5月23日 15時) (レス) id: 1da8ba8178 (このIDを非表示/違反報告)
佳恋(プロフ) - 光華さん» ですよね！煉獄さんは神ですから死んで欲しくないですよね、、(切実)柱続行は無理でも、必ず死なせません！！笑コメントありがとうございます！励みになります！！ (2020年5月13日 9時) (レス) id: 49831120ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佳恋 | 作成日時：2020年4月25日 13時
