序章 ページ1
体に伝わる振動にゆっくりと目を開く。
流水のように長る黒髪が顔に当たる。
結ぶ髪は長いが、体格的に男の子のようだ。年の功は、私と変わらないように見える。
目の前の小豆色の着物に見覚えはない。
ザクザクという厚い雪を踏みしめる音を聞きながら朦朧とした頭で考える。
君の名前は?誰なの。
なんでそんなに焦っているの?
どうして君は私を背負っているの?
ねえ、君、君は。
何度も語りかけるが声が喉に張り付いて出てこない。
聞きたいことは山ほどあるのに。
君、凍えてしまうくらい寒いのにごめんね。
息も上がってるのに、体も冷たくなっているのに。
私、何で背負われているの。顔も名前も知らない人に。
最後にしたことは何だっけ。
そうだ、家にいた。私の家。
両親と私と下の子たちで暮らした家。
私はそこで針仕事をしていた。長年愛用している槿花色の襟巻きのほつれが目立ってきたから、縫い直していた。
疲れているお母さんには先に休んで欲しくて、私が戸締りと火の始末をしてた。
夜の闇が深くなってきて、そろそろ寝ようと支度をしていたら戸を叩く音が聞こえたんだ。
何だかやけに、嫌な予感がしたのを覚えてる。
ここは険しい山奥だから、もしかしたら遭難者かもって扉を開けたんだ。
胸騒ぎがして脳内の警報音が鳴ったのに、躊躇いなく私が扉を開けちゃった。
扉の向こうには男の人がいて、
それで、
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佳恋(プロフ) - 氷柱 氷龍さん» ございます!救済しましょうかねwこれからもご愛読よろしくお願いします!! (2020年8月4日 11時) (レス) id: 052cbbf88a (このIDを非表示/違反報告)
氷柱 氷龍 - お願いしますカナエさんを出来れば死なせないでください!面白いです!w(゜o゜)w<WOW (2020年8月1日 17時) (レス) id: bd22a3d64d (このIDを非表示/違反報告)
佳恋(プロフ) - dinner bornさん» あ!そうですごめんなさい!途中で設定変えたんです!直しときます!! (2020年5月23日 16時) (レス) id: 49831120ad (このIDを非表示/違反報告)
dinner born - 父親は他界済みとあるのに、ページ12には父親が1番に目を覚ましていました。 これは、作者のミスでしょうか.........? (2020年5月23日 15時) (レス) id: 1da8ba8178 (このIDを非表示/違反報告)
佳恋(プロフ) - 光華さん» ですよね!煉獄さんは神ですから死んで欲しくないですよね、、(切実)柱続行は無理でも、必ず死なせません!!笑コメントありがとうございます!励みになります!! (2020年5月13日 9時) (レス) id: 49831120ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佳恋 | 作成日時:2020年4月25日 13時