ー花火ー 今市隆二 × 登坂広臣 ３

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一部始終をネタばらし後、
曲の感想が気になった。




やっぱ知らないか。
前に三代目って何の…？状態だったもんな。





この曲で去年の年末、
初めてあの番組に出演した。


老若男女、認知度100%、
紅と白の…



声を掛けられる事も少し増えたけど、
今はまだ「あのエグザイル系の…」



後に名前が出てくる事は五分五分かその下か。


ーーー目指す先は遠い道程。



Aちゃんの感想。
歌唱法を褒められ、歌声までも。




声質ってやっぱ生まれ持ったものだから
そこ言われるとまじで舞い上がって。



やっばい。
嬉しすぎて興奮が収まらなくて。



どんどんボロが出たけど。
でもCD買いたいって気に入ってくれたのかな？





ジャケットじゃ顔バレするから
CD-Rに焼いて渡そう！そうしよ！



しかも俺等の事まで興味心湧いたらしくて。



その内の一人、ここに居ますよ。って、

歌ってる人、俺ですよーー？
言いたくて仕方ないのを押し包んだ。



ーーやっと掴んだ夢。

毎日頼れる仲間に囲まれて
こんな幸せなことってない。




俺は歌で生きてる。

だから他の人に教えられてとか、
映像とか、誌面じゃなく。

明かす時はこの歌声で伝えたい。




その時が来るまで、大切に温めておこう。
俺の気持ちも…歌声も。




さっきまでポロポロ泣いてたAちゃん。

美味しい？って聞くと、
嬉しそうに微笑んでくれて。


その安心しきった眼差しに
また幸福感で溶けそうになった。






そんな幸せな時、突然やってきた別れ。
インターホンの音。





「隆二…そこに居ない？」




モニターからは予期せぬ臣の声。




「い、居ます！どうしたんですか？」


「ちょっと、仕事の件で」




その言葉に急いで玄関に向かう。




「隆二、あのあと急遽打ち合わせ入ったって聞いてなかった？」



え、何の話…




「気づいたらお前もう居なくて、皆でコンビニでも行ってんじゃんって話しててさ。

でも一向に戻ってこないし、音沙汰ないし、先に始めてたよ…」





一刻も早くこの部屋に来ることに
俺必死で…




「で俺等はもう話済んだから、早く事務所向かって」


隆「分かった」





荷物を取りに行こうと
急いで振り返る。




「うあ、」「ぎゃ！」




いつの間にか後ろに佇んでたAちゃんと
派手に激突した。

むしろ俺が突き飛ばした形。



早く起こしてあげなきゃと。






俺の腕が伸びる前に突風の如く

サッと通り過ぎた後ろ姿。

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