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80.優しい世界 ページ39

大谷「うーん、なるほど、」

居酒屋である。
打ち上げということで寄った居酒屋で、大谷にことのあらましを説明していた。

大谷「つまり、六人は同じ会社勤めで、花ちゃんは二藤と〇〇さ…じゃない、桃瀬さんの同僚で、樺倉さんが上司さん、でAと雄太が花ちゃんと二藤の後輩、と…。」
小柳「まあ、大体そういうことね」
大谷「うーん、ややこしっ!」

ほんとだよ、とAは心の中で呟いた。
ちなみに誰と誰が付き合っている、とは言っていないので、六人共にただのオタク仲間くらいとしか思われていない、はずだ。

大谷「まあでも良かったわ。Aと雄太はともかく、二藤にも知り合いが増えて、」

俺すか、と二藤は大谷に目を向けた。

大谷「心配だったんだよ、お前高校でも俺らくらいしか友達いなかったろ? こいつ社会に出てやってけんのかなってさ」

ビールジョッキを奥と、大谷は口元を緩める。

大谷「良い人たちに出会ったじゃねぇか、お前も、Aも、雄太も。羨ましいぞおい。」

大谷先輩も良い人ですよ、とAは内心で微笑んだ。
奇妙な縁もあったものだ。
好きな歌い手が想い人だったり、好きな絵師が後輩の恋人だったり。
同じ会社で、同じ学校で、同じ趣味の人と分かり合えるだけでも奇跡みたいなものなのに。


ヲタクで良かった、Aは思う。

辛い思いをしたこともあったけど、好きなものがそこにあるだけで幸せだった。

そしてその幸せを分かち合えるみんなに出会えた。

こんなに良い人達と出会えた。

優しい世界に出会えたんだ。


大谷「あ、」

突然大谷が声をあげた。
そしておもむろに人数を数えだす。

大谷「うーん、三人足りない、か…、」
雄太「どうしたんすか?」
大谷「いや、な、今度打ち上げで沖縄行くだろ?」
雄太「打ち上げ…ああ! 行きますね!」
大谷「まあ二藤は連れていくとして、それ足してもキャンセルが七人出たんだよ、キャンセル料の方が高くつくから七人知り合い連れて行かなきゃいけないんだよ」
雄太「ほへえ、そうなんすか?」
貴方「いや、あの、なんの話してます?」
大谷「ああ、ほらこの間のライブの打ち上げ旅行で、沖縄行くんだよ、それで」

大谷は六人の顔を見回して言った。

大谷「これも何かの縁ですかね。みんなで行きません? 沖縄!!」

そして私たちの夏休みは、波乱の大佳境を迎えることとなったのである。

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ゆりぃ - とても面白い作品なので更新待ってます。頑張ってください。 (2020年1月3日 22時) (レス) id: 1568344429 (このIDを非表示/違反報告)
通行人L(プロフ) - 先日もお伝えした通り、コメントはこちらの垢で代えさせていただきます。ご了承ください。 (2019年4月6日 20時) (レス) id: bd0feb0d91 (このIDを非表示/違反報告)
蒲生五三(プロフ) - 久しぶりに来ました。すこです!これからも更新頑張って下さい! (2019年1月11日 0時) (レス) id: 10e078c097 (このIDを非表示/違反報告)
すーぱーさなぎまんぜっと(プロフ) - 蒲生五三さん» 前作にもこちらにもカキコありだとうございます。あまり他の方の作品を読まないので果たしてこれが本当に夢小説なのかどうかも大分怪しいのですが、楽しんでいただいているようでとても嬉しいです。これからもよろしくお願いしますm(__)m (2018年12月30日 20時) (レス) id: bd0feb0d91 (このIDを非表示/違反報告)
蒲生五三(プロフ) - 他の量産型占ツク夢小説なんかよりも話がしっかりしてて良かったです!!これからも頑張って下さい!!応援してます!!! (2018年12月7日 7時) (レス) id: 10e078c097 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すーぱーさなぎまんぜっと | 作成日時:2018年6月17日 19時

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