62.電話 ページ12
スマホの着信音で、目が覚めた。
お兄ちゃんからの、着信だった。
『......んー......もしもし、お兄ちゃん...?』
私は眠い目を擦りながら、
寝起きの声で、電話に出た。
そしたら、電話の向こうで、
少し笑いながら、言われた。
「...にひっ。お兄ちゃんじゃないよ。」
...////
え、この声...//
この笑い方....//
『...!!と、トミーさん!?』
「にひひ、そうだよ。」
え!!なんで、トミーさんから電話が...!!
私は、電話からする
トミーさんの声に
ドキドキしていた。
「つーか、Aちゃん、寝てたっしょ?」
電話越しのトミーさんの声も...
好きだなぁ...。
『寝てました...//』
「起こしちゃって、ごめんね。」
『い、いえ。大丈夫です//』
「Aちゃんが、何も言わずに急に実家に帰っちゃったから、心配してるよ。」
...トミーさんも、
心配、してくれてたんだ...。
「あ、Pさんが。」
『あ、そうですよね...。』
そうだよね、お兄ちゃんが、だよね...。
「まぁ、俺もしてるけど。」
トミーさんは、
少しさっきより小さな声で言った。
それが、小声だから囁くような声で、
ドキッとした。
『心配かけてすみません...。』
「...戻って来ねぇの?」
『...。』
戻らない...
本心は?
...またトミーさんたちと暮らしたい。
でも、そんなこと...
「...俺じゃ、話づらい?Pさんにかわるわ。」
私が何も言わずにいると、
トミーさんはそう言い、
電話を、お兄ちゃんに渡した。
「もしもし、A?大丈夫なの?」
『お兄ちゃん...。』
「なんで実家に帰ったの?まだ1人で外出るのも怖いでしょ?」
『...。』
実家に帰った理由...。
...トミーさんに彼女が出来たから、
...一緒にいたら辛いだけだから、
私は、
トミーさんに彼女が出来た
と声にするのがつらくて、
お兄ちゃんに理由を言えずにいた。
『...もう、大丈夫だから...。もう心配しないで、ありがとう。ごめんね。』
また、涙が出てきて、
私は一方的に電話を切ってしまった。
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渚(プロフ) - なつさん» コメント、ご指摘ありがとうございます!訂正致しました! (2019年9月9日 16時) (レス) id: a307ccf87d (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - おはようございます。小説内に誤字が見受けられましたので、ご報告致します。93.誕生日の 手、話さないの?→手、離さないの? ではないでしょうか? (2019年8月26日 8時) (レス) id: f039fd8d47 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - もふ太さん» 読んでいただき、ありがとうございます!年齢や学年は水溜りボンドさんと同じですが、知り合ったきっかけのサークルに入ったのが遅く、後輩という扱いにしているので、そうさせていただきました!なので、作中でもお2人には普段と同じく、Pさんはタメ口にしています! (2018年9月24日 21時) (レス) id: a18cfc2432 (このIDを非表示/違反報告)
もふ太(プロフ) - 完結おめでとうございます!!とっても面白かったです!ちょっと気になったのですが、Pさんって水溜りボンドの後輩じゃなくて同期じゃないんですかね、? (2018年9月24日 21時) (レス) id: f623e6c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - ゆめぉさん» ありがとうございます♪後輩の妹も更新頑張ります! (2018年8月29日 0時) (レス) id: 48559218c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2018年8月15日 0時