注文 ページ5
あれから、2週間程が経った。
あれ以来、トミーさんは
お店には来ていない。
...やっぱり、
来ないかなぁ。
なんて、考えながら、
『いらっしゃいませ。』
今日も、バイトをしていた。
『秋吉先輩。やっぱりこの間のは奇跡だったんですね。やっぱり声掛けておくべきでしたかね。』
またトミーさんに、
来店して欲しい気持ちを
秋吉先輩にぶつける。
「また来てくれるといいね。次来た時は、声掛けるんだよ。」
秋吉先輩は、
優しい言葉で、
私を慰めてくれた。
私が今日、バイトに入ってから、
2時間くらい経過した頃。
「いらっしゃいませ。」
お店の扉が開き、
3人組のお客様が、
入ってきた。
『いらっしゃ...い、ませ。』
...え...うそ...。
目の前に
キイチさんと、Pさんと、
トミーさんが来た。
...え、また来店してくれた...
どうしよう...
また少し頭が、
パニックに...。
「これと、これと、これ下さい。」
メニュー表を見ていた
3人が、
パッと顔を上げ、
こちらを見て注文した。
『...か、かしこまりました。お会計 ──円でございます。』
私は、
冷静さを保つので、
いっぱいいっぱいだった。
『お待たせ致しました。』
私は、頼まれた物をトレイに置き、
3人組のお客様に渡した。
「ありがとうございます。」
受け取ると、
トミーさん...大柄な男性が、
お礼を言った。
「大崎ちゃん、確か今のお客様だったよね?」
お客様が席に着くと、
秋吉先輩が、
私に声を掛けてくれた。
『...はい。そうなんです。』
私はまだ、冷静さを保つので
いっぱいいっぱいだった。
「そりゃ、ファンなんだもん。パニックになるよね。」
私の表情を見て、
秋吉先輩は、言った。
「でも、また来てくれたってことは、次もチャンスあるよ。」
秋吉先輩は、
励ますように言った。
『え、そんなこと言われたら期待しちゃいます。』
既に期待しちゃっている私。
私が働いている
バイト先の常連さんになってくれたら、
それはもう、本当に幸せ過ぎる...。
72人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:渚 | 作成日時:2018年12月18日 0時