兄の先輩 (水溜りボンド・トミー) (ページ48)

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48.花火大会ページ48

私は待ち合わせ場所へ向かった。

待ち合わせ場所に着くと、

トミーさんとお兄ちゃんとキイチさんがいた。

カンタさんは編集で、

まんずさんは他のお友達と予定があったので、

2人は来なかった。

奈菜美ちゃんは、まだ来ていないみたいだった。

『...お待たせしました。』

私は少し恥ずかしくて、伏し目がち。

奈菜美ちゃんが、

どうしても浴衣着て欲しいと言ってたので、

トミーさんたちも浴衣...というか、

甚平を着ることになって...

チラッとトミーさんの方を見ると、

凄く甚平が似合ってて、

ますます、恥ずかしくなった。

「浴衣いいじゃん。可愛いね。」

と言ってくれたお兄ちゃん。

「浴衣似合うね。」

と、褒めてくれたキイチさん。

「...。」

トミーさんは、何も言ってくれない...？

｢あっ、奈菜美ちゃん来ましたよ。｣

遠くから手を振る奈菜美ちゃんを、

見つけたキイチさんが、

奈菜美ちゃんに駆け寄る。

それにお兄ちゃんも続く。

私も奈菜美ちゃんの方へ行こうとしたら、

トミーさんが、

｢Aちゃん。｣

私の名前を呼んだ。

私はトミーさんの方を振り返る。

「やっぱ、その浴衣似合ってんな。可愛い。」

私の目を見て言ってくれたトミーさん。

トミーさんはそう言うと、

奈菜美ちゃんの方へ向かった。

可愛い...。

やっぱ、その浴衣似合ってんな...。

可愛い...。

やばい...すっごく胸がドキドキしてる...///

トミーさんが言ってくれた言葉を、

何度も頭の中でリピートする。

“やっぱ、その浴衣似合ってんな。可愛い。”

...ん？やっぱ...？...その浴衣？

ってなんだろ...。

少し疑問だったけど、

可愛いと言ってくれたことの方が嬉しすぎて、

私は上機嫌に奈菜美ちゃんの元へ向かった。