44.トミーさんの誕生日 ページ44
玄関へ向かい扉を開けると、
奈菜美ちゃんがいた。
「あ、Aちゃん、こんにちわ♪」
なんでだろう...
奈菜美ちゃん、凄く粧し込んでいる。
「お邪魔しまーす。」
それに、可愛らしいラッピングがされている袋を持っている。
奈菜美ちゃんがリビングへ向かったので、
私もあとをついていく。
奈菜美ちゃんは、リビングの扉を開け、
「お邪魔します。」
と丁寧にお辞儀して、
「トミーさん♪お誕生日おめでとうございます♪」
と言って、可愛らしいラッピングがされている袋を渡した。
奈菜美ちゃん、
トミーさんの誕生日知ってたんだ...。
トミーさんから聞いたのかな。
私は中に入るタイミングを見失い、
リビングの扉の中から聞こえてくる声に、
耳を傾けていた。
「お、ありがとう。てか、誕生日教えたっけ？」
「いえ、Aちゃんに聞きました。」
...え？
私教えてない...。
どういうこと...？
「そっか。あけていい？」
「是非♪」
ラッピングをガサガサと開ける音だけが響く。
「お！うまそう！」
...うまそう？
「これ、どこのケーキ屋さん？」
...ケーキ。
「いえ、これ私の手作りです♪」
...手作り。
「作ったの？すげぇ！食べていい？」
...手作りケーキ。
「いいですよ♪」
...しかも、トミーさんがお店のケーキと間違えるほどの出来栄え。
「うまい！ありがとう。」
かないっこない...。
私は自分のお部屋に戻った。
その様子をお兄ちゃんに見られていたのは、
全く気づかなかった。
私はお部屋に戻って、
プレゼントをお部屋のゴミ箱に捨ててしまった。
もう、情けなすぎる...。
奈菜美ちゃんと、トミーさん、
お似合いじゃんか...。
なんで私、
トミーさんのこと好きになってしまったの。
もう、やだつらい...。
でも、つらいからって、
簡単に好きから嫌いになれるわけなんてなくて、
でもでも、叶わないのに...。
勝なわないのに...。
気が付けば、泣いていた。
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渚(プロフ) - とこたんとみさん» コメントありがとうございます( ^ω^ )面白いと言っていただけて嬉しです♪ (2019年7月7日 2時) (
レス) id: 4fccf6bd12 (このIDを非表示/違反報告)
とこたんとみ(プロフ) - とっても面白いです！！！！ (2019年6月11日 1時) (レス) id: f614e63378 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渚 | 作成日時：2018年8月3日 5時
