兄の先輩 (水溜りボンド・トミー)

42.ライバル ページ42

奈菜美ちゃんが帰ってから、


もう、お店は閉まってるし、


「お兄ちゃん、パソコン貸して。」


お兄ちゃんにパソコンを借りて、


ネットでどんな浴衣があるのか調べてみた。


『わー、これ可愛いな...。』


私は浴衣の通販サイトを見ていたら、


可愛い浴衣を見つけて一目惚れした。


値段を見てみると、


『...！？高い...。』


その浴衣は私の予算より遥かに高くて、


『予算オーバーだよ...。』


リビングには、今、


私とお兄ちゃんしかいなくて、


「どれどれ？」


と、お兄ちゃんがパソコンを覗いてきた。


「お！可愛いじゃん！」


『でも、高すぎる。花火大会前に、ドンキで買おうかな...。』


「あ、そういえば、」


お兄ちゃんは思い出したように言う。


「来週、26日、トミー誕生日だよ。」


『え！？そうなの？？』


「うん。」


『お兄ちゃんもっと早く教えてよー！誕生日プレゼントどうしよ...浴衣も買いたいし、誕生日プレゼントも...あぁお金が...。』


「浴衣諦める？」


『ええー』


私の今の所持金では、


浴衣買ったら、プレゼント買えなくなるし、


プレゼント買ったら、浴衣買えなくなる...。


いや、でもこの際プレゼント買いたい！


でも、プレゼント何あげたら喜んでくれるかな...。


『と、とりあえず、誕生日プレゼント買う！お兄ちゃん教えてくれてありがとう！』





私はその日ずっとトミーさんに、


プレゼント何を渡すか考えていた。

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